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インフルエンサー自身の「なりたい」を大事にする。『Coupe』のインフルエンサーとの向き合いかたとは
インタビュー

インフルエンサー自身の「なりたい」を大事にする。『Coupe』のインフルエンサーとの向き合いかたとは

2019年後半に発表された、ジャニーズタレントのソーシャルメディア進出。嵐関連のキーワードが連日Twitterのトレンドに上がるなど大きな影響があり、芸能事務所のあり方の変化に注目が集まっています。

そんな中で、インフルエンサーマネジメントの会社として、インフルエンサーの発掘から、育成までを支援する株式会社Coupe (クープ)。同社CEOの竹村恵美氏に、支援の方法や、今後の展望を伺いました。

プロフィール

株式会社Coupe 代表取締役 竹村 恵美(たけむら めぐみ)氏

法人とインフルエンサーをつなぎ、知名度を上げていく

日比:Coupeとはどんな会社なのでしょうか?

竹村氏 (以下、敬称略)「個人を輝かせる」インフルエンサーマーケティングとインフルエンサーマネジメントの会社です。もともと、美容師とサロンモデルのマッチングサービスをしていた関係で、美容やヘアが得意なインフルエンサーが多く所属しています。サロンモデルは900名程度で、全員キャスティング可能です。その中で、14名と専属モデル契約していて、ライブ配信からTikTokまで、多岐にわたるSNS全般での発信を支援しています。AbemaTVの恋愛リアリティーショーに出演する専属モデルもいます。

日比:SNSインフルエンサーのマネジメント事業会社として、どのようなサポートを提供しているのですか?

竹村法人とインフルエンサーをつなぎ、知名度を上げていく部分ですね。例えば、個人で10〜20万フォロワーを抱えているインフルエンサーでも、企業の方とどう連絡を取ったらいいかわからなかったり、社会人になったことがないのでどう交渉したらいいかわからなかったりします。そんな時に、間に入って交渉をしています。今後は社会も徐々に変化していくと思いますが、今は事務所にしか入ってこないキャスティング案件もあるので、案件を取ってくる役割もしています。

もう一つは、特にインフルエンサー向けなのですが、精神面のサポートです。どうしても一人だけで長期間ライブ配信を続けていると大勢の方とずっとコミュニケーションを取っているので、疲れてしまうケースも出てきます。そんな時に、支えてあげる人がいるだけで伸びると感じているので、配信を継続できるようにサポートをしています。

まず何になりたいのかの目標を置く

日比:企業からいろいろな案件がくると思うのですが、どう取捨選択しているのでしょうか。

竹村:基本的には、本人がやりたいかどうかを大事にしています。また、全部の投稿がPRにならないように、インフルエンサー自身のファンに向けて、彼ら自身が想いがある投稿なのかどうかを本人と話しながら進めています。

それに、本人の趣味や特技から、コラボできそうな企業に営業に行くこともありますね。例えば、TikTokで13万フォロワーを抱える所属インフルエンサーは、ラテアートの関東チャンピオンであり、日本3位にも輝いているんです。ずっとコーヒー系の案件をやりたいと言っていたので、今まさにコーヒー会社と案件が進んでいます。

日比:本人の得意が表現できるのはとても素敵ですね。では、インフルエンサーをマネジメントする時に気をつけていることはありますか?

竹村:ビジネス的な話になってしまいますが、所属インフルエンサーに他の事務所からスカウトがとても沢山来るんです。そのため、Coupeが一番だと思ってもらえるように、福利厚生のようなサービスを提供しています。例えば、ホワイトニングサロンの格安割引や、AbemaTVオーディションの先行連絡といったものです。多くのマネジメント企業がある中で、Coupeを選んでもらえるように気をつけています。

日比:インフルエンサーの方と向き合う時に気をつけていることはありますか?

竹村14人の専属モデルとたちは、2週間に1回は必ず定例面談をしています。全員進みたい方向性が違うので、まず何になりたいのかという目標を置いて、そこに向かってどう進んでいくのかを並走しています。ライブ配信をしていると、一番のファンが離れていってしまった、といったことで一喜一憂してしまうのですが、目標を見据えて継続できるようにコーチングのようなものをしています。

これは、それぞれにあった形にカスタマイズしていますね。例えば、とてもやる気があり時間もあるのであれば、SNSを1日3投稿頑張ろうとか。TikTokを撮って、インスタを撮って、ライブ配信を1時間、絶対やろう、というように。他にも、やる気はあるけど大学院に所属していて試験がある子は、学校があるときの投稿は少なめにして、休みのときに頑張ろう、といった感じです。

大事なのは有名になりたい気持ちと素直かどうか

日比:登録しているサロンモデルや所属インフルエンサーの方はどうやって選ばれているんですか?

竹村サロンモデルは、倍率40倍ぐらいの中から厳選しています。毎月700人程度、サロンモデルになりたいと応募がきて、そこから10~20人ぐらいを採用しています。書類審査をして、カメラテストをして、面接をして。

というのも、サロンモデルは、美容師さんと直接やり取りするんです。だから、美容師さんと1対1でやり取りできない人や、遅刻とか返事しない人がいるとサービスの悪評になるので、もとから入れないように採用しているんです。

また、私自身が多くの人を見てきたので、この子は有名になるなという感覚が分かり始めてきました。半年後までの成長イメージが見えるので、応募の中からピンと来る人を選んでいます。

日比:どんな人が、インフルエンサーに向いていると感じますか?

竹村有名になりたいという気持ちがあるかどうかと、素直かどうかですね。

日比:素直かどうか?

竹村:はい、とても大事です。Coupeは育成を重視しているので、私たち側にもノウハウがかなり溜まってきています。その中で、この人は絶対にこうした方が伸びるというようなものがあるので、それを素直に聞いて実行してくれるかどうか。あとは、当たり前ですがSNSが好きで、投稿頻度高く実行できるかですね。

1つに特化するよりも複数のプラットフォームで配信するほうがいい

日比:面白いですね。例えば、男の子がきたとして、どのように活動するSNSプラットフォームを選定しているのでしょうか?

竹村その子が何になりたいかを、何よりも大事にしています

例えば、「どうしても稼ぎたい」のであれば、Pocochaや17 Liveといった稼げるプラットフォーム。「なんでもいいからオーディションにバンバン受かりたくて、知名度を上げたい」のであれば、LINE LIVEやSHOWROOMをオススメします。

また、CoupeはTikTokと提携しているので、月12投稿して再生回数が基準値を超えれば、おすすめに載りやすくなります。そのため、ファンの年齢層が低ければ、確実にTikTokで伸びるとわかっているので、ライブ配信サービスと合わせて配信してもらいます。

あとは、演技レッスンも提供していますね。Instagramの15秒ストーリーズCMのような案件も増えてきているので、俳優を目指している人にはは受けてもらっています。

日比:有名になりたいと考えている子から相談を受けたらどうアドバイスしますか?

竹村TikTok、インスタ、YouTubeをメインの柱にしながらライブ配信をしていくのが一番いいと思います。ライブ配信は、投げ銭のライブ配信じゃなくてもインスタライブでも構いません。ファン側が認知してもらえる可能性がある状態を作ることが重要です。それこそ本当に超やる気がある場合は、1日インスタライブを2時間やって、LINE LIVEを1時間、Pocochaを1時間やれば、だいぶ有名になれると思います。やはり時間があるなら、1つに特化するよりも複数のプラットフォームで配信するほうがいいですね。

あとは、継続が大事なのでめげないこと。最初はファンなんて誰もいないし、ライブ配信したって誰もこないのが普通です。そこで大体の人が挫折する。でもライブ配信だって月100時間やれば、1カ月後にはイベントだと割と上位に入れるようになってきて、そこからまたそのイベントをみてファンがくる循環が作れます。

これは裏技ですけど、インフルエンサーの友だちを作って、インフルエンサーの子にタグ付けしてもらうのもすぐ伸びるためには効果的です。

少し伸び始めたら、コメントには即レスするとか、細かいことはめちゃくちゃあります!笑

人気がある個人で世界が作られていく

日比:インフルエンサー事務所として、インフルエンサーの次の未来をどう見られているのか気になります。

竹村:インフルエンサーが大きな力を持つ時代がくるというか、個人がメディアの代替になっていくと思います。

100万フォロワーいて、10%のエンゲージメントがあれば、リンクをつければ10万人が見てくれるわけじゃないですか。大げさですが人気がある個人で世界が作られていくと思っています。

日比:マネジメントしている立場から、企業のインフルエンサー活用の今の課題やこうしたらいいのにと思っている部分を教えてください。

竹村やはりライブコマースですかね。Coupeの一番売れるインフルエンサーは、Instagramのフォロワー数は4,000なのですが、彼が紹介したら絶対買うという人が多くて、1時間で最大70万円を売り上げました。

ライブコマースは、賞品の良さや番組構成、インフルエンサーがしゃべれるといった要素だけではなくて、ファンが付いているかどうかで売れ筋が大きく変わってくるんです。なので、いい商品があって若年層からの売上向上に悩んでいるような企業さんにはオススメです。圧倒的な支持基盤があって売れるインフルエンサーは、単価5,000円の商品であれば、1配信で30個は売れると思います。

インフルエンサーマーケティングのすごいところは、ファンが購入したものをわざわざツイートするところにあります。その背景には明確な理由があって。17 LiveやLINE LIVEに慣れているファンは、サービスの中でやっているオーディションやイベントで推している子を1位にするために、ファンがファンを呼んできてみんなで応援するから拡散力があるんです。その流れにファンが慣れているので、それがライブコマースアプリになったときも、この子のこれを買ったよっていうのを自然とツイートする流れができています。そして、配信のあとにインフルエンサーが拡散したファンのツイートをイイネしたり引用RTで「ありがとう」とコメントするのが一連の流れです。

日比:特にファッションや化粧品といった商材はインフルエンサーを活用したライブコマースにもっと挑戦した方がいいのでしょうか。

竹村インフルエンサーのファン層に合っていれば商材はなんでもよいです。Coupeに所属し、一番ライブコマースで売り上げる男性インフルエンサーは、高級ブランドのバッグや、服、食品も売れます。チアシードの美容ゼリーみたいなものが一番売れましたね。逆にメンズ用のものは売れなくて、女性ファン向けの商品が売れます。

スマホで一番の人気者を輩出していきたい

日比:最後に、株式会社Coupeとして今、新しく挑戦していること、次に挑戦したいことはなんですか?

竹村最近は、YouTube事業に挑戦しています。実は、サロンモデルの子たちは、パソコンを持っていないし、編集もしたことがない子が多いので、これまで避けてきたんです。ただ、市場としても時代としても、YouTubeは、無視できなくなっているので、動画編集スキルを付けるところから新しく始めています。

将来の長期的な展望としては、ドラマとかバラエティ番組にも出られるようなタレント活動も出来る人材を育成していきたいです。NetflixさんとかAmazonプライムさんの番組で人気になれるような、スマホで一番の人気者を輩出していきたいです。

ファンの方で、インフルエンサーの配信を毎日楽しみにしていて、その人の投稿が生きがいという方が結構いらっしゃって。そういう人たちに寄り添っていけるような、毎日のよりどころになっていけるようなスターをいっぱい育てていきたいです。

IFEL 編集部
ライター
IFEL 編集部

インフルエンサーラボ 編集部  / Influencer Lab(インフルエンサーラボ)は、個人の発信力向上をサポートするさまざまな情報を発信していきます。

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