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プラットフォーム型とキャスティング型のいいとこ取り?インフルエンサーにとって正当な仕組みの構築を目指す『Find Model』とは?
インタビュー

プラットフォーム型とキャスティング型のいいとこ取り?インフルエンサーにとって正当な仕組みの構築を目指す『Find Model』とは?

ここ数年で一気に躍進を遂げたインフルエンサーマーケティング。その裏側では数多くのインフルエンサーたちと、それを支えるインフルエンサーマーケティング会社が活躍しています。

投下される広告予算も、参入する大手企業も増え、市場は拡大する一方で、インフルエンサーと企業のミスマッチや、フォロワーとのニーズのズレ、ステマなどさまざまな問題も表出してきています。

こういった課題感をきっかけに生まれたインフルエンサーマーケティング企業が『Find Model』です。企業側もインフルエンサー側も双方にメリットを提供し続けていきたいと考える同社の想いと、見据える今後を伺いました。

プロフィール

福田 航太氏:株式会社Find Model CEO

プラットフォーム型でもキャスティング型でもない価値

大久保:『Find Model』のサービスを始めたきっかけを教えていただけますか?

福田氏(以下、敬称略):きっかけは、インフルエンサーと企業がとても遠いと感じたことにあります。

私は、別の会社で以前からメディアにインフルエンサーをアサインする仕事に関わっていました。そこで目の当たりにしたのは、クライアント企業とインフルエンサーの間に、代理店や広告主・キャスティング会社・事務所など、本当に多くの会社が入っている現状でした。合計5,6社は入っていたかもしれません。

すると、企業はものすごくたくさんのお金を払っているのに、実際のインフルエンサーにはその数分の一のお金しか入りません。もちろん、企画を立てる代理店等を否定するつもりは全くないのですが、そこまでたくさんの会社が入らなくてもいいのではないか、と考えました。

インフルエンサーと企業をもっと近い距離でつなげる機能を果たせないか。そう考えたのをきっかけに立ち上げたのが、Find Modelです。2016年9月1日のリリースと同時に法人化。それから、ちょうど1年ちょっとたったところですね。

大久保:この1年でインフルエンサーマーケティングの認知度もかなり向上し、プラットフォーム事業者も増えてきた印象があります。他社と比較したとき、Find Modelさんの特徴はどのようなところにあるのでしょうか?

福田:インフルエンサーマーケティングの事業者には「プラットフォーム型」と「キャスティング型」の大きく2種類が存在すると思っています。

「プラットフォーム型」は価格が安い代わりに、企画提案がなく、企業は自分でインフルエンサーをイチから選ぶ必要があり、広告主にとっては誰を選んだらいいかわからない。「キャスティング型」は価格が高い代わりに、企画提案があり、芸能事務所などとのつながりもあるので、キャスティング力がある。ただ、インターネット広告に詳しくないので提案が今時の広告っぽくない。

Find Modelは双方のいいとこ取りをしています。価格面では、プラットフォーム型とほぼ変わらないくらいに抑えつつ、広告主さんの課題に応じて企画提案もしますし、芸能事務所ともつながりがあるので、タレントのアサインもできます。

最近では30社くらい見比べた上で弊社を選んでいただけた事例もあり、競合他社と比較しても良いポジショニングができてきていると思います。

フォロワーが少なくても、ニーズはある

大久保:現在は何人くらいのインフルエンサーが登録されていらっしゃるのでしょうか?

福田登録数だけで800人くらい。加えて、「芸能事務所などに所属していてFindModelに登録はしていないけれど、つながりがありアサインできるインフルエンサー」が一定数います。

最初は、フォロワーが2万人くらいの友人のインフルエンサーに協力してもらい、その方の友人など経由でつながりを増やしていきました。インフルエンサーは良い案件があれば、大手芸能事務所でも、我々のような小さな会社から案件を受けてくれます。なので、初期のインフルエンサーの母数団が集まってからは、広告案件を取ってくることに注力しました。

大久保:今登録されていらっしゃる方はどういった方々が多いのでしょうか?

福田:何かしら他の仕事をしていらっしゃる方も多いです。普通のOLや主婦の方も多いですね。インフルエンサーやモデルを専業でやっている方も一定数いらっしゃいますね。

フォロワー数でいうと、10,000人を超えている人が800人中500人以上です。ただ、決して多くないといけないというわけではなく、フォロワーが1,000人前後くらいの方もいらっしゃいます。1,000人を超えていればお願いできる案件が出てきますから、少ないと案件がないというわけではありません。そういった方の登録も歓迎しています。

大久保:みなさんどういったきっかけでFind Modelに登録されるのでしょうか?

福田:できるだけ間口を広げてたくさん仕事をしたいという方も多く、うちを含め様々なサービスに登録されています。弊社ならではの強みでいうと、案件やクライアントの規模ですね。うちはナショナルブランンドからの依頼が多いため、知名度の高いサービスや商品の案件が多い。そこが魅力だと思います。

あと意外だったのは、支払いが早いという点が魅力と受け取られていることです。これはインフルエンサーへグループインタビューをした時に聞いたのですが、2,3ヶ月後の振込も少なくないそうで。うちは基本的に翌月末にお支払いをしているので、一見当たり前なことに思えますが、差別化ポイントになっているようです。

それぞれに最適なディレクションがある

大久保:実際どのように案件は進んでいくのでしょうか?先ほどお話しがあったようにFind Model側から「こういう人がいいと思います」と提案をするかたちでしょうか?

福田:おっしゃるとおりです。企業のニーズをもとに、我々からは「企業が情報を届けたいターゲットとマッチするフォロー話を抱えるインフルエンサー」をご提案させていただいています。大体アサインしたい人数の倍くらいをご提案し、アサインするインフルエンサーが決まれば、商品を届けたり、イベントに来てもらうといった手配をしつつ、ディレクションを行います。

大久保:ディレクションもやられるんですね。

福田:はい、インフルエンサーによって濃淡はありますが。ある程度お任せしても、自分の言葉でいい感想を書いてくれる方もいますし、丸投げだとうまく投稿できない方もいます。

ですから、過去の広告案件の経験をもとに、任せていい子は「商品の売りはこういうところですが、使ってみた感想を自由に投稿してください」とお伝えします。逆に、上手く投稿できない方には、「こういう要素とこういう要素を自分の言葉で投稿してください」と細かめに伝えるようにしています。

企業に広告効果をお返しするには、インフルエンサーマーケティングではディレクションがとても重要になります。「こういう要素を言ってください」と伝えて数十人のインフルエンサーがみんな同じようなことを言っていたら消費者は誰も信じてくれません。

同じ商品でも、人によってメリットの感じ方は異なるはずです。たとえば、肌着を紹介するときに、同じ商品でもナチュラル志向の方なら「敏感肌の私にも良さそう」とか。ファッション重視の方だったら「薄着でも歩けるから、ファッションが楽しめる」など。インフルエンサーの個性が伝わる投稿にすることが大事です。

大久保:それぞれに合わせたディレクションがあってこそ効果に繋がるということですね。では800人もいるインフルエンサーの中で、Find Modelで継続的にお願いされている方はどういった特徴があるのでしょうか。

福田:やはり「いいね」がつくとか、フォロワーからの反応がいい場合はクライアントも納得するので、リピートにつながりやすいです。あとはディレクションの意図をくみ取ってくれる人。我々の指示をそのまま聞くというより、広告主の狙いをちゃんと理解してくれる人ですね。広告主の狙いを理解した上で、あくまでもご自身の感じたことをユーザーの代表者として発信してもらうのが重要なので。

目指していくべきインフルエンサーの未来

大久保:今後、インフルエンサーやインフルエンサーマーケティングはどう変化していくと思われますか?

福田:今後、主流のSNSメディアがInstagramから他に変わったとしても、多くのインフルエンサーは発信を続けていくと思います。その中で、Instagramだけではない様々な手段を模索していくことにはなるのだと思います。

たとえば、私たちも提案させていただくことがあるのですが、商品のプロデュースや商品開発のサポート、インフルエンサーとの企画会議など。広告というだけでなく、企業と一緒にできることはまだまだたくさんあると思います。

ほかにも、フォロワーとの関係を生かす意味ではライブコマースも一つの道でしょう。自分が勧めたものをみんないいと思って買ってくれるというのは、フォロワーから信頼されていなければ成立しません。そこには数の多さではなく、関係性の強さが重要になる。これまでとは異なるインフルエンサーの形が生まれるかもしれません。

現状はまだまだ、インフルエンサーにとってのロールモデルになるような事例が多くありません。そこにキャリアの多様性が生まれてくれば、ますます広がっていくことになるでしょう。我々自身がその一助になれればと思いますね。

大久保:Find Modelとしては今後、どのように成長されていくイメージをお持ちでしょうか?

福田:対クライアントでいえば、この1年で取引いただける企業が増え続けています。これは純粋にサービスを評価いただいている結果だと思っていますし、今後も広告主の期待に応え続けられるよう努力を続けていきたいと考えています。

一方で、インフルエンサーに対しては、当初の想いでもあった「働いたことに対する正当な対価を得られるサービス」としてあり続けたい。そのためにも、常に結果を出し続けられるようにしなければいけません。それができなければマーケットはなくなってしまう。広告効果をお返しできるよう、我々自身も変わり続けなければいけないですし、インフルエンサーもそれは同様です。ともに変化をしていきながら、次の道を探し続けていきたいですね。

アバター
ライター
大久保亮佑

インフルエンサーラボ創刊編集長。企業向けのSNSマーケティング情報発信メディア、ソーシャルメディアラボ( https://gaiax-socialmedialab.jp/ )の編集長も務める。

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