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絶対にやっちゃダメ!フォロワーをだますステルスマーケティングとは何か、その事例
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絶対にやっちゃダメ!フォロワーをだますステルスマーケティングとは何か、その事例

ネットやテレビを頻繁に見ない人でも、ステマという言葉を聞いたことはあるでしょう。それほど世間一般にも浸透している言葉ではあるものの、定義があいまいなこともあり、ステマの線引きは簡単ではありません。「なんか悪いことっぽいけどよくわからない」という方がほとんどなのではないでしょうか?

もしあなたが「InstagramやYouTubeなどで情報発信をしたい」「インフルエンサーになりたい」と思っているなら、ステマについてしっかり理解しておかないと、いつの間にか自分が悪者になってしまうかもしれません!

そこで今回はステマに加担しない、だまされないための基礎知識から事例や法規制、そしてここまで「ステマはダメ」というイメージが浸透しているにもかかわらずなかなかなくならない理由についてご紹介します。

ステマ(ステルスマーケティング)とは

ステマ(ステルスマーケティング)とは、基本的には、消費者に対してそれが宣伝であることを隠して宣伝を行う行為のことです。例えばネットや雑誌などで宣伝を行う場合、通常であれば広告であることを明示します。

しかしステマの場合、報酬を受け取りながらも、広告表示をせずに特定の商品やサービスを紹介して、消費者の印象を操作しようとします。ただし日本においては広告であることを明示していても、あまりにも不自然な商品紹介をする記事やブログがステマだと判断されることもあり、その線引きは非常に曖昧です。

ステマの代表的な手法

では、ステマは具体的にどのように行われるのでしょうか?ここでは代表的な手法をご紹介します。

  1. 一般消費者、ファンを装ってブログ記事や口コミを投稿する
  2. 芸能人やセレブなどに、広告であることを隠して商品を紹介するように依頼する
  3. PR記事であることを明示せずに、メディアに商品やサービスに関する記事を紹介してもらう

1の例では、アフェリエイターやブロガーと呼ばれる人によって行われることもあれば、投稿される商品、サービスを提供している企業の社員が一般消費者かのように偽って行う場合もあります。またこの3つ以外にも、例えばECサイトなどで人気商品ランキングを恣意的に操作した場合などもステマと呼ばれることがあります。

なぜステマ(ステルスマーケティング)が横行するのか

消費者をだます行為であるにもかかわらず、ステマが横行するには大きく2つの理由が考えられます。

バレずに効果的なPRができる可能性があるから

例えば企業が通常の広告を出した場合、それを100%素直に受け取る消費者は多くないでしょう。特に今は広告が嫌われる時代ですし、企業からのメッセージは一切信用しないという極端な人もいるくらいです。しかし影響力の高い第三者などが口コミの形でブログやSNSなどに投稿すると、それがステマであることに気づかずに信用してしまいがちです。結果として高い広告効果を発揮し購買に至る確率が高いことから、モラルの低い企業などはその効果に目がくらみ、ステマを繰り返し利用してしまいます。

ステマに対するリテラシーが低いから

ステマはその定義が曖昧なこともあり、リテラシーの低い企業はそれをステマだと気づかずに行ってしまっている場合があります。Webマーケティングに疎い企業がモラルの低い企業にそそのかされステマに加担してしまっていることも、ステマが横行する要因の一つです。

絶対にステマ(ステルスマーケティング)をやってはいけない理由

どういった理由があるにせよ、ステマは絶対にやってはいけない行為です。その理由は次の3点です。

消費者を騙し、あざむく行為だから

「ステマをきっかけに商品・サービスを買ってしまったとしても、結果として本当に良いものであれば問題ないのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかしほとんどのステマは、それがいい商品・サービスであることを発信者が担保していません。つまり、消費者に対して嘘をつき、だまし、あざむきながら自分たちの利益のみを追求しているのです。

商品・サービスに満足できたというのは結果論であって、消費者を騙していることには変わりなく、許されない行為です。

長期に渡ってマイナスイメージがついてしまうから

ステマをしていたことが発覚してしまった場合、その企業は信頼を一気に失うことになります。一旦、消費者をだましたというマイナスイメージがついてしまうとそれを払拭することは非常に困難で、長期に渡ってマイナスイメージが残り、企業として大きな損失となります。

(国によっては)違法行為だから

2017年9月現在、日本にはステマを違法とする明確な法律はありません。しかしアメリカやイギリスなどいくつかの国ではステマは違法行為とされています。海外では違法であることが常識的になっている行為は、まだ法規制はされてないとはいえ、やるべきではないでしょう。

インフルエンサーとステマ(ステルスマーケティング)

企業が影響力のある人物(インフルエンサー)に自社の宣伝を依頼するインフルエンサーマーケティング。2016年あたりからInstagramを中心に盛り上がっていますが、このインフルエンサーマーケティングも広告であることを明示しない、また明示したとしてもほかのハッシュタグに混ぜてわかりにくくするなど、ステマに近いものも少なくありません。

実際、アメリカの連邦取引委員会がInstagramのインフルエンサーに対して紛らわしい投稿をしないよう注意喚起のレターを送付したり、Instagram側でも「タイアップ投稿」であることを誰もがわかるように表記するようにしたりするなど、ステマに対する対策は急ピッチで進められています。

2017年9月には、同委員会が有名モデルのナオミ・キャンベルさんや女優のリンジー・ローハンさんへ警告的な側面もある書簡を送ったというニュースもデています。

ステマ(ステルスマーケティング)にまつわる法規制

消費者をだまし、あざむく行為であるステマ。では法律的にステマはどういった扱いになっているのでしょう?実は日本ではまだステマを直接規制する法律はありません。景品表示法の「優良誤認」が該当するといった向きもありますが、これまで明確に当てはまる事例は少なく、立件できる可能性は少ないようです。もちろん、法規制を求める動きもあります。2017年2月には、日本弁護士連合会がステマを法律で規制するべきだという意見書を公表しています。

日本ではまだ法規制が進んでいないステマですが、海外のいくつかの国ではすでに法律で規制されています。

アメリカの法規制

2009年、連邦取引委員会が「広告における推奨及び証言の利用に関する指導」を改訂し、広告や宣伝であることを明示せずに、販売者とその投稿者(ブロガー、インフルエンサーなど)に利益供与があった場合は違法であるとしました。

イギリスの法規制

2008年、イギリスは「不正取引から消費者を保護するための法律」を制定し、報酬を受け取っていながら、そのことを明示せずに商品の宣伝を行う。また営利目的ではないという誤った印象を与えたり、偽装して消費者であるかのようにふるまったりすることも禁止しています。

ステマ(ステルスマーケティング)の事例

ここで、日本で実際にあったステマの事例をいくつかご紹介します。

食べログ

消費者が実際に行った飲食店の評価を掲載するグルメサイト「食べログ」。2012年ごろには、報酬を受け取って特定の飲食店に好意的な口コミを投稿する「やらせ業者」が多発しました。また2017年には著名なレビュアーが知人の飲食店で接待を受け、その飲食店のレビューを高評価にしたといったことも起こっています。

どちらも食べログ側が起こしたものではありません。しかし2016年に飲食店の検索結果でデフォルトで表示される「標準」タブの結果が、有料プランを利用している店舗が優先的に表示されていることを明示せず、あとになって広告枠であると説明し問題となりました。食べログ側にも説明不足な点があり、結果として食べログの評価を落とすことにつながっています。

参考:https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0403M_U2A100C1CR8000/
https://news.yahoo.co.jp/byline/yamamotoichiro/20170612-00072020/

ペニーオークション

入札するたびに手数料がかかる仕組みを用いたペニーオークション。多くの方が、このペニーオークションによって、ステマという言葉を知ったのではないでしょうか?2010年末から2011年初頭にかけ、多くの芸能人が広告であることを明示せず、ペニーオークションで欲しい商品を落札したという嘘の内容のブログを書いたことで問題となり、その後、ペニーオークションは完全に消滅しています。

参考:
ペニーオークションとは (ペニーオークションとは) [単語記事] – ニコニコ大百科

Yahoo!ショッピング

2017年6月、朝日新聞がYahoo!ショッピングの検索結果の「おすすめ順」が広告料金を支払った店舗が上位表示されるにもかかわらず、それを明示していないことからステマではないかという記事を掲載しました。

Yahoo!側は、Yahoo!ショッピングはサイト全体がカタログで、広告のかたまりであるからステマには当たらないといった見解を示しつつも、「おすすめ順」については説明不足であったとして、サイト上の説明が一部変更されました。

参考:https://news.yahoo.co.jp/byline/tokurikimotohiko/20170629-00072677/

ステマ(ステルスマーケティング)を無くすために必要なこととは?

消費者をだまし、あざむいてでも利益を追求するモラルの低い企業、そしてリテラシーの低さから知らずにステマに加担してしまう企業。これらの企業がいる限り簡単にステマがなくなることはありません。そこで重要なことは、消費者である私たちがリテラシーを身につけ、ステマに加担しないようにすることです。報酬を受け取っていなくとも、ステマの記事を拡散してしまうことで被害者が増える可能性が高まります。

法の整備を早急に行うことももちろん重要ですが、それと同時に消費者をだます企業に加担してしまわないよう、消費者自身が目を光らすことが、ステマ根絶の第一歩となります。

IFEL 編集部
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