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一般人をマーケティングに活かす!TADAGENICが描くデータを活用したインフルエンサーマーケティング
インタビュー

一般人をマーケティングに活かす!TADAGENICが描くデータを活用したインフルエンサーマーケティング

様々な業界で注目をされているインフルエンサーマーケティング。フォロワー数が多いインフルエンサーに着目しがちですが、㈱TADAGENICではあえて一般人を積極的に活用する仕組みをつくっています。その背景にある課題感や今後の展望を株式会社TADAGENIC CEOの平塚登馬氏に伺ってきました。


Interview / インフルエンサーラボ編集長 大久保亮佑 ( @03rysk )

プロフィール

平塚登馬氏
同志社大学商学部在学中。株式会社TADAGENIC代表取締役CEO。サイバーエージェントの学生起業家のビジネスコンテストGATEでの優勝をきっかけに、タダでフォトジェニックな商品がもらえるサービスTADAGENICを今秋リリース予定。


http://tadagenic.com/

キャスティングを通して見えてきた市場の課題がビジネスの種に

大久保: ㈱TADAGENIC(以下TADAGENIC)を立ち上げた経緯を教えていただけますか?

平塚氏(以下、敬称略): TADAGENICのアイディアは、以前働いていた会社でマーケティング系の事業部を立ち上げたときに感じたことがきっかけで生まれました。インフルエンサーのキャスティングを行なっていたのですが、インフルエンサーマーケティングは中身が伴っていないと強く感じたんです。TADAGENICでは、そこの課題を解決したい

というのは、企業はSNSを使ったことがない人が多いので、ステマっぽくてもとりあえず投稿してもらえればいいと思っている。僕たちの年代はSNSとともに育ってきたので、上の年代の人たちがどれだけ小細工をしても、広告だと一瞬で分かります

一方で、Instagramで友だちが新しい化粧品について使いやすいとか、旅行に行ってここよかったなどつぶやいているのを見て、実際に行く友だちが結構いる。それを仕組み化できたら強いなと。それで、TADAGENICをサイバーエージェントの学生起業家を集めたビジコンで発表して、優勝しました。

大久保:企業側がインフルエンサーマーケティングに感じている課題はあるのでしょうか?

平塚:企業は、インフルエンサーが宣伝ばかり投稿することをかなり気にしていますね。例えば、インフルエンサーのAさんのタイムラインには、顔とスキンケア商品ばっかり。さらに、自社の商品を投稿してもらった一週間後に、競合のB社の商品を投稿しているなど。それを見ているユーザーがうんざりしてきているのではと。

インフルエンサーをブランディング、一般人を共感マーケティングに活用

大久保: なぜTADAGENICでは、インフルエンサーではなく一般人に着目しているのでしょうか。

平塚:実は、「Instagram上で誰かの投稿を見て購買したことがありますか」というアンケート(対象:18〜24歳女性、サンプル数:320人)を自社で行った結果、知り合いの投稿を見て購買したことがある人が87%でした。またインフルエンサーの投稿を見て購買したことがある人は30%という結果でした。結局知り合いの投稿を見て購買する人は9割近くいるけど、インフルエンサーは3割しかいない。そこで一般人をより活用することで、購買に繋がりにくいとされているインフルエンサーマーケティングの課題は解決できるなと思いました。

逆にインフルエンサーは購買につながるマーケティング効果は減りますが、コンテンツのセンスがいいのでブランディングには最適です。なので僕たちはインフルエンサーをブランディングに起用しつつ、一般人の方を共感から購買につなげる共感マーケティングとして活用していきます。

大久保:インフルエンサーと一般人の違いとは?

平塚:フォロワー数で分けています。3000フォロワー未満を一般人、3000〜1万未満をナノインフルエンサー、1万以上はインフルエンサーとしています。

大久保:企業は何に対してどれくらいお金を支払うんですか?

平塚:フォロワー数に応じて、ですね。インフルエンサーの相場はフォロワー数×2〜3円、高いと5円なのですが、TADAGENICは×1.5円です。一般ユーザーは×1円、ナノインフルエンサーは×1.2円です。

例えば、100人に商品を配布して、1プロダクトあたり50万くらいが最低費用。1フォロワー1〜1.5円なので、50万ということは、30〜50万人にリーチできます。

インフルエンサーは、3%〜5%しかいいねがつかないけれど、一般人は20%〜30%、ナノインフルエンサーも30%くらいエンゲージメント率があったりするので、費用対効果に圧倒的な差が出ます。

大久保: 実際にそんなにいいねがつくものなのでしょうか?

平塚:はい、一般人、大学生くらいだと30%が普通、多い子だと50%。それに対して、インフルエンサーは1%〜5%。フォロワー数が増えているから下がるのは当たり前とも思われるんですけど、芸能人は10%程度。渡辺直美さんはフォロワー600万くらいで8%、戸田恵梨香さんは120 万フォロワーで常に10%くらいついています。

フォロワーはお金で買ったりできますし、こちらからフォローしてフォローしてもらったら外すとか、簡単に騙せてしまうんですよね。

ユーザーが楽しめるようにすることで共感を生む

大久保: TADAGENICで商品をもらったユーザーが投稿するときには、「これはxx会社からもらったものです」という表記は義務付けていますか?

平塚:していないですね。商品がよかったらシェアしてもらって、シェアしたくなかったらその理由を教えてください、どっちでもなかったら何もしなくていいですというようにしています。ただ、商品を投稿、感想を送ることを「アクション」としてカウントし、企業側からはそれぞれのユーザーのアクション率をわかるようなシステムを構築しています。

もちろん企業はアクション率が高い人に依頼を送る傾向が出るので、アクションをした方に依頼が来るような仕組みになっています。

大久保:投稿を義務付けないのはどういった理由からでしょうか?

平塚:OL、女子大生、普通の生活を送っている子たちが負担にならない程度のサービスにしたいというのが一番大きいですね。5万人フォロワーがいるインフルエンサーであれば一回の投稿で5〜6万円もらえることもありますが、1万人前後の子はもらってもお小遣い程度。そのために強制されるのが面倒くさいと思っている人が多いんです。なので、基本的に彼女たちがやりたい案件を選んで、やりたくないならやるべきでないと思っています。「タダで欲しい商品がもらえるなら嬉しい」くらいの感覚がちょうどいいかなと。

投稿を義務付けていない分、継続的に商品が欲しかったらアクションを起こさないといけないような仕組みにしています。

企業が欲しいデータを確実に提供。将来的には改善施策の提案も

大久保:企業からは通常のインフルエンサーマーケティングと同じ形で依頼を受けるのでしょうか?それとも市場調査として受けるのですか?

平塚:通常と同じ形です。また、企業向けには、マーケティングツールを作成しており、企業向けのWEBアプリもあります。商品情報を入力してもらって、それを見てユーザーは欲しいか欲しくないかを判断する。そこでまず、企業にとってはABテストができます。

大久保:企業はどのあたりを魅力に感じているのでしょうか。

平塚:僕たちの強みは20代の幅広い層のデータを持っていること。フォロワー数が多いインフルエンサーのデータは持っているところは多いですが、20代の女の子のデータを持っているところはない。僕たちはそれをInstagramのAPIで取得しようとしているので、その点が強みです。

それにより、どういう投稿をしている人なのかジャンル分けができます。ナチュラル志向、アーバン志向とか。さらにそのジャンルの人がどういう商品を見ているのか、どういう商品をシェアしているのか、マクロ的にどういうセグメントやコミュニティでどういうものが流行っているのかといったトレンドデータも取れます。

企業側は、ユーザーのいいね数、エンゲージメント率、フォロワー数、住まい、職業、年齢、あとはInstagramの投稿をもとに、ユーザーを選出する。そして、自社の商品を提供するという流れです。今後はその先のプロダクトや広告施策をどのように改善したらいいのかというところも提案できるようになりたいですね。

大久保:インフルエンサーと企業どっちを動かすのが難しいですか?

平塚:企業ですね。これだけ一般人やコンテンツが大事とお伝えしても、拡散に重きを置きがちでなかなかわかってくれません。まずは、一回使ってもらって、価値を実感してもらうのが大事だと思っています。

年内リリース予定。そこから仕掛けていく

大久保:今後の展望を教えてください。

平塚:まず12月末くらいにTADAGENICを正式リリースする予定です。最初のユーザーは1000人で限定公開としています。

その先は、海外展開も見据えています。Instagramの市場やユーザーを見ると、日本は小さくて2000万人しかユーザーがいないので、SNSやインフルエンサーマーケティングは圧倒的にアジアの方が強い。アジアをメインにしながらの海外展開を1年後に考えています。まずはインドネシアでしょうか。

アバター
ライター
大久保亮佑

インフルエンサーラボ創刊編集長。企業向けのSNSマーケティング情報発信メディア、ソーシャルメディアラボ( https://gaiax-socialmedialab.jp/ )の編集長も務める。

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