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より深いところで影響を与えられることが嬉しい。りょかちさんのインフルエンサー論
インタビュー

より深いところで影響を与えられることが嬉しい。りょかちさんのインフルエンサー論

インカメ越しのネット世界』という本も今年の5月に出版され、自撮り女子としてますます有名になったりょかちさん。現在は、自撮り以外にも若者文化についての発信も注目を集めています。
当初1記事のみの予定でしたが、面白い話が多かったので2記事に分けてお送りいたします。まず前半は、インフルエンサーのなったプロセスやSNSでの発信方法についてです。

Interview / インフルエンサーラボ 編集長 大久保亮佑  ( @03rysk )

知らない人からの反応が返ってくるのが面白い

大久保:「自撮り女子 りょかち」はいつ誕生したんですか?

りょかち:きっかけは、2年前の11月大学4年の時です。内定と就職するまでの時期、暇すぎて自撮りツイートをあげたら拡散したんです。それまではフォロワー1,000名くらいの意識高い系の大学生でした。本当に普通で、「2限もいけなかったー」とかつぶやいてました(笑)。

大久保:本当にたまたまだったんですね。

りょかち:そうですね。その自撮りツイートも、身内ネタ的に投稿していました。友人から反応が返ってくるのが面白くて、色々挙げているうちに、単に自撮りだけあげるのもつまらなくなって。マフラーを巻いてる女の子のキュンとするあるあるとか、ユニフォームなどを挙げ始めました。そしたら、「可愛い女子あるある」ということで、フォロワー数が少しずつ増えていったんです。
なので、一気にフォロワー数が伸びたというよりは、徐々にフォロワー数が伸びていった、「コツコツタイプ」です。

大久保:自撮りシリーズは、友人からの反響があったからだったんですね。

りょかち:そうです。それまでになくウケたので、Twitterって面白いなと。オフラインで繋がっていない人からも段々と反応がくるのが面白くなって、もっとフォロワー増やしたいな!と感じるようになっていきました。
もともと「自撮り」というコンテンツがきっかけだったので、今でも このコンテンツを出したら、どういう反応があるんだろう?と常に考えながら発信しています。私にとっては、実験している感覚ですね。

大久保:ツイート以外がきっかけでフォロワー数が伸びたことはありますか?

りょかち:もっと面白いコンテンツが作りたくなって、当時1万人くらいフォロワーがいた友人と、できたばかりのChatCast を使い始めた時です。これがきっかけで、ネット界隈のフォロワーが一気に増えましたね。
自撮りというテーマで友達とチャットした内容だったのですが、ChatCastという新しいサービスにこんな面白いコンテンツあるんだ!って気づいてもらえたのだと思います。私自身も、新しいサービスを取り入れる重要性に気づきました。

小さなメディアを運営しているのと同じ

大久保:フォロワーが増えて、意識的あるいは無意識的に変わった点はありますか?

りょかち:フォロワーが増えてくると、ツイートによるフォロワー数の増減も激しくなるんですよ。ツイートによって10フォロワー減るとか。フォロワーの反応が分かりやすくなるので、どうでもいい情報は流したくないなと思うようになりました。フォロワー向けのちゃんとしたコンテンツ発信をしなきゃという意識がついたと思います。

大久保:具体的にはどんなことを意識していますか?

りょかち:Twitterってフロー型の情報じゃないですか。ブログなどと違って情報がどんどん流れてしまう。時間帯によって見ているユーザー層も違うし。個人的には小さなメディアを運営している意識をしていて、時間帯によって発信する情報を変えています。

大久保:コンテンツ発信していたからフォロワー数が増えたというよりも、フォロワー数が増えたことのよってコンテンツ発信の意識がついたんですね。

深夜向けにエモいツイートは取っておく

大久保:時間帯による発信方法を具体的に教えて下さい。

りょかち:意識している時間帯は大きく3つです。8:00~10:00の朝、23:00~24:30の夜、さらに1:30くらいの深夜。

大久保:朝の特徴的なツイートは?

りょかち:私朝苦手なんですけど朝起きれた時は、通勤時間を狙ってビジネス系の意識高いことをつぶやいています。フォロワーの中には、IT企業で働いている人が多く、IT企業の多くは10時出社であるということも意識しておくのが重要です。また、この時間帯は、電車の中でパーっと読む方が多いので、さらっと読める内容を意識しています。

大久保:夜の時間帯は?

りょかち:23:00-24:30の夜の時間帯は、ベッドに横になりながら、ちゃんと見てくれている人が多いので、自分の宣伝などしっかり読んで欲しい内容をつぶやいています。

それで、1:30くらいにメンヘラツイートをする(笑)。
これをすごく大事にしています。この時間にTwitterにいる人は、Twitterが好きな濃い層が多いんです。だからこそ、エモいツイートとかはこの時間帯に集めています。朝と夜だけだと広告アカウントになっちゃうので、この部分で、りょかちの人間っぽさを知ってもらいたい

それ以外の、上記に当てはまらないツイートは、ランチタイムにつぶやいてます。

 

オンラインがあるからこそ、オフラインで深く会話ができる

大久保:インフルエンサーとして影響力がついてよかったと感じることは何ですか?

りょかち:コミュ障なので、以前は人と仲良くなるのに時間がかかっていたんですよ。でもオンラインで発信していると、情報が自分よりも外に置いてあるから、向こうが私を見つけて出会いに来てくれる。オンラインで知ってもらっておいてよかったなと思う瞬間です。今回のインタビューもそうですが、お声がけしてもらうことも増えました。

また、オンラインで私を知ってもらえるからこそ、オフラインで会った時により深いコミュニケーションができるようになりました。深いコミュニケーションまでの時間をショートカットをしている感覚です。

深い部分で影響を与えられていると感じるのが何よりも嬉しい

大久保:毎日ツイートするモチベーションはどういったものなんでしょうか?

りょかち:使命感や、やらされている感は全くないです。やはり好きじゃないと続かないので、好きだからつぶやきたい!が最初にあります。
あとは、投げたコンテンツに対してどんな反応が返ってくるか、実験みたいで好きです。その中でも一番嬉しいのは、引用リツイートですね。自分が思ったことに対して、相手が思ったことが返ってくる。実験に対して、相手のコメントというサンプルが返ってくるのが嬉しいです。

大久保:本を出版するというのは、Twitterでツイートするとは違う感覚なんですか?

りょかち:本に関しては、購入してくれることが純粋に嬉しいです。※コンバージョンした!って。(※Web業界での成果獲得を指す用語)
Web業界で働いているので仕事柄こういった気持ちが出てしまいますね (笑)。

リツイートやいいねは共感から生まれるし、ボタン一つでできてしまうので、ハードルは低い。一方で、本を購入するのは、お金を払ってでも読みたいと思ってもらわないといけなくて。本を購入して読んでもらえることはSNSの拡散よりも一歩深い部分まで影響を与えられている感触があります。

大久保:自分が発信したことが、お金を払う価値のあるものと思ってもらえるのは嬉しいですよね。

りょかち:そうですね。友人のお店に行って、「りょかちさんを見て来てくださった方がいます!」って言われるのもすごく嬉しい。たくさんの人よりも、1人1人の深い部分に影響を与えられるのが素晴らしいなと思います。

一部で”自撮りアイドル”と言われているのですが、以前「今までの人生で、アイドルと呼ばれる人は嫌いだったけど、りょかちさんは好きです。アイドルって本当に素晴らしいと思いました!」と言われたことがあって。その人の価値観を変える影響を与えられていると感じて本当に嬉しかったです。

だって、すごいじゃないですか、嫌いなものを好きになって興味を持ってもらうって。こういう影響を与えることに挑戦していきたいですね。

大久保:Twitterだけでなく、記事や本の執筆作るようになったのは、そういった背景があったんですね。

りょかち:文章をあげるようになってから、なぜ自撮りをあげるのかなどの自分の考え方を共有できるようになったので、誤解が解けて、自分の価値観に共感してもらえるようになりました。
さらに、自撮りをあげてみたという人もでてきた。そうやって、人の価値観や行動を変えていると感じているのはすごいことだなと。

自分のことを俯瞰して見ている

大久保:一方で批判の声も少なからずあるかと思いますが、それはどう対応していますか?

りょかち:本当に気にならないんですよね。誰かには絶対に嫌われるし。自撮りって批判をされやすいコンテンツだと最初から言われていたので。
むしろ、賛否両論の議論を起こす発信をすることが大事だと思っています。みんなが絶賛することをつぶやいても仕方ないじゃないですか。

例えば、LINEの田端さん。田端さんがいなかったらTwitterもう終わってるかもなって。彼が定期的にニュースを引っ張ってきて議論を引き起こすから「祭り」がおこる。それがTwitterの面白さになっているんじゃないかと思います。だから、ブログや記事を書くときも、8-9割は本当に思っていることですが、1-2割は議論が起こることをわざと入れたりします。

大久保:なるほど、議論が起こることを前提で発信しているから批判が気にならないと。

りょかち:そうですね。実験的に投げてみたツイートに対して、どんなツイートが返ってきても嬉しいです。バズらない記事だと、内輪だけで広がっているので「褒める」反応が多いのですが、バズる記事だとりょかちを知らない人がいて批判もくる。その多様性がすごく面白いんです。

大久保:自分のことを客観的に捉えているんですね。

りょかち:そうですね。Webディレクターとして働いている自分と、SNSのりょかちは私の中で別人です。見た目も扱われ方も違うし。特にフォロワーが増えてからは、自分の中で「SNSのりょかち」は商品的な扱いをしています。

そろそろ自撮り女子を卒業しなきゃいけない

大久保:もし昔に戻ったとしたら、どうやって今のレベルまでフォロワーを増やそうとしますか?

りょかち:早い時期からちゃんとコンテンツを作っていたかも。あとは、インフルエンサー方にリツイートをしてもらうようにする。やはりより多くの人に見てもらう、インプレッション数が大事なので。

大久保:りょかちさんのフォロワー数が伸びた2年前と現在では方法も変わってくるのでしょうか?

りょかち:動き方は全く変わると思います。私が自撮りを始めた2015年は、Twitterがまだ元気だったから、テキストが多くてエモいコンテンツを多く出すことが効果的でした。でも、今だったらInstagramが人気なので、画像にもっとこだわっていると思う。そういう意味で、今どのプラットフォームが流行っているのか自分がどのプラットフォームで生きていくかを見極めることは重要な視点です。

大久保:トレンドと強みが大事ということですね。

りょかち:トレンドという観点では、「自撮り」は2016年8月がピーク。そのトレンドに当てに行ったのが「自撮り女子」が人気になった理由です。

参考:GoogleTrend

まとめると、以下の3つが重要な要素だと思います。

⑴自分の好きなこと・特性を理解すること (私であれば、自撮り・テキスト)
⑵人気のある発信するプラットフォームを活用すること
⑶世の中のトレンドをつかむこと

「自撮り」のピークは過ぎているので、そろそろ自撮り女子を卒業しなきゃいけないんですよ。だから、SNS運用など「自撮り」以外のトピックで取材が増えて嬉しいです。

次回は、りょかちさんインタビュー記事第二弾!フォロワーとしてりょかちさんが影響を受けた人、さらにりょかちさんの次のステップについてお送りします。

日比朝子
ライター
日比朝子

インフルエンサーラボ副編集長 兼 コミュニティマネージャー / 個人が自分の強みを発揮して、輝ける社会にする!もっと個性豊かな人たちが発信力を持つことで、社会は面白くなると思う。インフルエンサーラボでは、インタビューを通して、インフルエンサーの魅力を伝えていきます。

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