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個人の可能性をより発揮できるプラットフォームへ『B2Bインフルエンサー』が目指す100万人のインフルエンサーがいる時代
インタビュー

個人の可能性をより発揮できるプラットフォームへ『B2Bインフルエンサー』が目指す100万人のインフルエンサーがいる時代

コンシューマービジネスの中で広がりを見せるインフルエンサー。モデル的なポジションの人から、専門性がある人など多種多様なインフルエンサーが登場し、市場を盛り上げてきています。

一方で人を介して認知を得づらく、インフルエンサーマーケティングとは無縁と思われていたB2Bの分野で、インフルエンサーマーケティングの市場を作り出そうとしているサービスがあります。その名も『B2B インフルエンサー』。

前編に続き、同サービスを運営する株式会社メディアインキュベートCEOの浜崎 正己氏にサービスにかける想いを伺いました。

プロフィール

浜崎 正己氏:株式会社メディアインキュベートCEO

海外で注目を集め始めていたB2Bを日本へ

大久保:「B2Bインフルエンサー」をはじめたきっかけを教えていただけますか。

浜崎:現在B2Bインフルエンサーとして活動いただいている栗原さんとディスカッションをしていた中で、海外に同様の事例があるというお話を伺ったところからでした。その話の中で、「こういうサービスは今後日本でも必要になるだろう。けれど現状プレイヤーがいない。であればやってみよう」となり、立ち上げる運びになりました。

大久保:海外ではすでに存在していたというわけですね。海外ではどのようなB2Bインフルエンサーがいらっしゃるのでしょうか。

浜崎:大きく2パターン存在します。1つは、業界や産業ごとのオピニオンリーダー的な人。B2Bは産業ごと、業界ごとに必要な情報が異なります。なので、分野ごとにオピニオンリーダーが求められるのです。

もう1つはネットワークを持つ人。これも業界や産業ごとになるとは思いますが、それぞれの領域におけるステークホルダーと繋がる力があることは、ビジネスチャンスの拡大や、リレーション構築などでも役立ちます。これは国内にとどまらず海外とのリレーションを組める人も重宝されるでしょう。また、ネットワークがあればクラウドファンディングでお金を集めたり、仮想通貨で上場しようとしたりする場合もお金を集めやすくなります。

B2Bインフルエンサーの「お値段」

大久保:B2Cの場合インフルエンサーの価格や相場も決まっていますが、B2Bの場合、現状は相場も存在しないのではないかと思います。価格はどのように算出されているのでしょう。海外の事例から計算してといった形なのでしょうか。

浜崎:難しい問題ですね。現状は言い値に近い金額で承ることがほとんどです。直接的にコンバージョンに繋がるものでないと、なかなか価格的な裏付けを取りづらい現状があります。計算するとすれば、B2Cのインフルエンサーと同様にフォロワーや友だちの数が基準となり、そこから専門性に応じて多少変化するといったイメージです。例えば栗原さんの場合ブロックチェーンが専門なのですが、ブロックチェーンに精通されている方はそう多くないので、その希少性を加味して、お見積もりをお出しします。

大久保:現状は何人ぐらいの方が登録されていらっしゃるのでしょうか。

浜崎:具体的な数値はお答えしていないのですが、そこそこの人数が集まってきています。B2Bの場合フォロワーが1万人以上といった数的な縛りがないので、たとえばIT業界であればサイバーエージェントやDeNAで課長をやっていますという人がインフルエンサーとして活躍するようなこともあり得ると思っています。

逆に人数が一定以上になったときに、そこでどう選別し、質を担保していくかの判断が難しいかも知れません。今後はそういったレギュレーション作りも進めていきたいです。

B2Bインフルエンサーは個々人が持つ才能を発揮する場

大久保:あらゆる業界でB2Bインフルエンサーは今後増えてくるのだろうという気がします。浜崎さんとしては、B2Bインフルエンサーを通してどのような世界を実現したいのでしょうか。

浜崎個々人のもつ才能を明示化してあげること。それに加えてセルフブランディングをする意識を持ってもらうことでしょうか。これまで日本は終身雇用が一般的だったこともあり、セルフブランディングをする意識が非常に低い。もっと自分に特化したものを磨き、セルフブランディングしていかなければこれからの時代に生き残るのが難しくなってしまいます。

大久保:そのためにいまからでもできることは?

浜崎:考え方は人それぞれでしょうが、わかりやすい例でいえば、縦方向だけでなく横方向に力を伸ばすこと。縦方向、つまり自分の持つ専門性の範囲を深掘りするのはもちろんですが、30代くらいまでで他の業界の人脈があったり知識があったりする状態になると、40−50代に新たなチャンスを手にすることができるようになる。

現在60代で、役職のある仕事に就ける人は本当に限られたごく一部の人間ですが、自分の立ち位置をしっかりと理解して関係性やスキルを身につけた人が増えれば、より活躍の幅は広がってくるはずです。

だれもがインフルエンサーである

大久保:今後、たとえば直近の数年間では何を行っていこうとお考えでしょうか。

浜崎まずはなによりもB2Bインフルエンサーという活動や概念を広めていくことが大切だと思っています。仕事としてやるというよりは、自分たちの可能性や新しい働き方、輝ける場所に気づいてもらう。結果的にビジネスにも繋がるといった意識で関わってもらえると良いかなと思いますね。

具体的にいうと、直近でいえばモデルケースを増やすことに注力しなければいけません。さまざまなジャンルで事例や知見を貯めつつ登録者も増やしていく。企業側は、どういうニーズあるのか、どういうケースであれば活用していただけるのかといった経験値を貯めていきたいと思います。

大久保:徐々に経験を蓄積し、より精度高く企業のニーズとB2Bインフルエンサーをマッチングさせていくと。

浜崎:おっしゃるとおりです。そのために企業との提携を増やすなどしてB2Bインフルエンサーという概念を広める必要があります。一強で勝ち抜くのではなく、一緒に市場をつくっていく企業が増えてくれるといいと思いますね。

現状はまだまだインフルエンサーについての理解も一般には広がっていません。新しい芸能人のように見られている部分もありますが、本来的にはそうではないはずです。インフルエンサーの価値の可視化し、指標を作り、掘り起こしをしていかなければいけない

特別な人ではなく、多くの普通の人が素晴らしいものを持っていることに気づいてほしい。その掘り起こしをしていくのが私たちの役割だと思っています。

アバター
ライター
大久保亮佑

インフルエンサーラボ創刊編集長。企業向けのSNSマーケティング情報発信メディア、ソーシャルメディアラボ( https://gaiax-socialmedialab.jp/ )の編集長も務める。

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