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すべての人がインフルエンサーになる可能性がある。米国で注目される「B2Bインフルエンサー」とは?
インタビュー

すべての人がインフルエンサーになる可能性がある。米国で注目される「B2Bインフルエンサー」とは?

消費者向けビジネス(B2C)の中で、消費者への新たな情報の届け方として注目されるインフルエンサー。モデル的なポジションの人から、専門性がある人など多種多様なインフルエンサーが登場し、市場を盛り上げてきています。

一方で人を介して認知を得にくく、インフルエンサーマーケティングとは無縁と思われていた企業間取引(以下、B2B)の分野で、インフルエンサーマーケティングの市場を作り出そうとしているサービスがあります。その名も『B2Bインフルエンサー』。

同サービスを運営する株式会社メディアインキュベートCEOの浜崎 正己氏と、同席いただいた3名のB2Bインフルエンサーの皆様に、B2B分野におけるインフルエンサーマーケティングとはなにか?その可能性を伺いました。

プロフィール

浜崎 正己氏:株式会社メディアインキュベートCEO

栗原宏平氏:B2Bインフルエンサー。マンガコネクト株式会社 代表取締役社長

手塚千里氏:B2Bインフルエンサー。株式会社ZoooG 代表取締役CEO

河上純二氏:B2Bインフルエンサー。メディアインキュベート・ブロックチェーン研究所 主席研究員、一般社団法人アプリ開発技術認定普及協議会理事

B2Bインフルエンサーとはなにものか

http://media-incubate.com/B2B-Influencer/

大久保:B2Bインフルエンサーとはどのような人のことを指すのでしょうか。

浜崎氏(以下、敬称略):B2B領域のインフルエンサーとは、 学者・専門家・業界の権威などです。 ブロガーやYouTuberではありません。B2BインフルエンサーはTwitter(また米国ではLinkedIn)にいる可能性が高いです。TwitterやLinkedInの中で多くのフォロワーがいるだけでなく、その投稿がコミュニティで話題になる方をイメージしています。ある分野に精通した人が紹介することでプロモーションになる。それに対して企業がお金を払うという構図です。

これまでB2Bの場合いわゆる純広告と呼ばれるマーケティングしか手段がありませんでした。そこに「B2Bインフルエンサー」という媒体を入れ込んでいく。例えば、東大の工学系の教授が言及したサービスであれば、あらゆるエンジニアは非常に興味を持つかもしれない。この分野はこれまで誰も開拓していませんでした。

大久保:とはいえ、お金をもらっているからという理由でサービスの良さを発信してしまうと、その人自身の信頼を傷つけることに繋がってしまうのではないでしょうか。

浜崎:おっしゃることはわかります。そう思われてしまう背景にはインフルエンサーマーケティングが悪い意味で横行しているからだと考えています。好きでもないものに、「いいね」といって宣伝している。その構図がそもそも間違いなのです。

悪いものは悪いと言ってもらう。その代わり、いいものに対しては知見のある専門の人がいいという。それが本来の構図です。専門家であれば専門知識を用いて正しいことを言うべきであるというのがB2Bインフルエンサーの考えの背景にはあります

大久保:そうすれば、インフルエンサー側がデメリットを被ることはないということですね。ただ、良いと思うものを良いというのであれば、今のエバンジェリストに近いようにも思います。どう違うのでしょうか。

※エバンジェリスト:IT技術など複雑な技術をわかりやすく説明し、啓蒙する人

浜崎:エバンジェリストの方がよりユーザー視点で、B2Bインフルエンサーはよりビジネス視点というイメージです。エバンジェリストは限りなく製品のファンに近い存在だと思います。好きだから応援したい。ですから会社の広報戦略の上にのるものではありません。ビジネスとして評価指標を設定するものではおそらくない。それに対して、B2Bインフルエンサーは商品などの広報戦略上にのって、戦術の1つとして用いるものです。

誰もがB2Bインフルエンサーになれる可能性がある?

大久保:「B2Bインフルエンサー」サービスに登録される方はどういった方なのでしょうか。

浜崎何かしらの分野に専門性や影響力を持っている方がメインとなります。イメージとして近いのは、学識者や専門家を束ねるPR会社みたいなものでしょうか。そういった会社も実際にあり、テレビに出ている専門家などのアサインを行ったりしています。ただ、そこでまかなえるのはごく一部。結局ディレクターの人たちが検索して、出てきた人にアポを取っている状況です。

さらに、テレビに出るような人はB2Bインフルエンサーの中でも、著名人です。我々としては、その層ではなく、「誰もが知っている人ではないけど、業界の中での認知度があり影響力を持っている人」にアプローチしたいと思っています。よりマイクロインフルエンサーに近いところです。

大久保:B2Bインフルエンサーの分野はこれまで誰も開拓していなかったというお話でしたが、あえてマイクロインフルエンサーに絞っていく狙いはどこにあるのでしょうか。

浜崎B2Bの場合、フォロワーの領域が狭くて深いほど価値があるからです。マスのコミュニケーションでアプローチできない「狭い」ところは数多く存在します。その狭いところへリーチできる人は価値が大きい。ですからマイクロインフルエンサーであることは1つの価値に繋がります。

特に、長年同じ業界で仕事をされてきた方は、皆さん何かしら影響力を持っているはずなんです。でも、企業の中にいるので、その影響力が価値として見える化していない。例えば、人事領域で有名な方がいるとします。人事の仕事をしていれば当たり前に知られている方だったとしても、人事以外の仕事をしている人はその人のことを知らない。別領域の人が人事領域に役立つサービスを作って売ろうと思った時に、誰がキーパーソンなのか分からないのが実態です。そこを繋ぐことができるようにするのが、このサービスの役割だと思っています。

大久保:高い専門性がない場合でもB2Bインフルエンサーとして活躍できるのでしょうか。

浜崎:そうですね。それまでに築いてきた影響力の範囲が重要になると思います。専門性はある程度必要ですが、必須条件ではないです。ただ、専門性があれば繋がる道が違うと思っていて。B2Bインフルエンサーの中でも多様性を作ることにより、「働き方のロールモデル」を作っていけるとも思っています。

拡散から、コネクションまで。B2Bインフルエンサーが活躍する場面

大久保:あらゆる分野でニーズがあるからこそ、上手く活かせれば個々のキャリアにも繋がりやすいということですね。具体的にどのような案件があったか教えていただくことはできますでしょうか。

浜崎:それでは河上さん、栗原さん、手塚さんの事例をご紹介させてください。

河上氏:私の場合、Facebookのようなソーシャルメディアでのつながりがあるので自分が関わっていることを伝えて反応を集めることをやっています。たとえば今回のB2Bインフルエンサーサービスを立ち上げる時には、B2Bインフルエンサーに登録されている中の人として活動をしました。そして、プレスリリースを出すときに一緒に「こういうことをやることになりました」と私の周りの人に拡散し、認知を取っていく。結果的にプレスリリースは1万PV近く獲得できました。

本当にそのサービスを良いと思っていることが前提にはなりますが、当事者の中に入り一緒に体験していれば、いわゆるPR感もなく、周囲のリアクションもとても良いんです。商品でもサービスでも、企画に参加したとか、ディレクションをしたとか、アドバイザーをしましたとか、言い方も関わり方もいくらでも考えられる。そういった形でB2Bインフルエンサーが関わることによって、拡散力が10倍にも20倍にも広がります。さらに、そのリリースを見て知人から相談があると、社長につなげることもできる。自分ごととして関わってもらう文脈づくりが大切なんです。

大久保:なるほど、確かにそういった関わり方であれば拡散したり応援したり、相談したくなりますね。続けて栗原さんのお話も伺えますでしょうか。

栗原氏:私は、特にブロックチェーン分野において、海外の方とディスカッションし、その中で、どういうビジネスがお互いできるか、ニーズがあるかといったビジネスモデルをやり取りするマッチングを生業としています。そこから、日本の会社で、海外の会社や個人とアライアンスを組みたいという時の交渉やマッチングをおこなっています。例えば今関わっている案件は、外国人で日本語ができる人をつなぐ案件ですね。

マーケティングにおいても、海外では既にやっているけれど日本では知られていないことがまだまだたくさん存在します。このB2Bインフルエンサーも、米国では最もホットな手法として、75%のマーケターがこの手法を活用しているという調査もあります。日本にローカライズすることによって広がる可能性があることが沢山ある。そういった海外と日本のビジネスを結びつける役割を今後もしていきたいです。

大久保:栗原さんの場合、単に拡散すると言うよりはネットワークを活かしてビジネスを行っていると言うことですね。最後に手塚さんのお話も伺えますでしょうか。

手塚氏:私は学生時代から起業しているので、周りに経営者がたくさんいます。そこで、起業したばかりで、他の経営者とネットワークがない人をつないであげて、ビジネス的なアライアンスやメンターや顧問のような形で経営者同士をつなぐということをやっています。

今もイスラエルの会社から日本でのSNSマーケについて相談を受けていて、つながりのある会社を紹介しようとしています。ある意味動き方は栗原さんに近いかもしれません。僕も、僕の周りもお互いに紹介してくれ、紹介してほしいというやりとりをよくやるんです。これを対企業として考えるとお互いお金を払ってもいいはず。そういった文化がないので、それを作れたら市場としても大きいと感じています。

大久保:ありがとうございました。最初に、B2Bインフルエンサーとお聞きした時は、全くイメージがつかなかったのですが、随分と理解が進みました。後半では、さらに具体的に価格設定やサービスの今後についてお話を伺います。

ライター
大久保亮佑

インフルエンサーラボ創刊編集長。企業向けのSNSマーケティング情報発信メディア、ソーシャルメディアラボ( https://gaiax-socialmedialab.jp/ )の編集長も務める。

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