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自分と向き合い「好き」を創作に活かす。赤澤えるさんが語るPinterestを用いた新しいものづくり
インタビュー

自分と向き合い「好き」を創作に活かす。赤澤えるさんが語るPinterestを用いた新しいものづくり

 

「余りの出る割り算から、ダメなんです。でも、本は大好きで。東野圭吾さんなんかは読破する勢い。」

“自分”を極めて流暢に、そして喜々として語るのは、ファッションブランド LEBECCA boutique(レベッカ ブティック)ディレクターの赤澤えるさん。数々のヒット商品を創作しTwitterでは1万2000人、Instagramでは1万6000人ものフォロワー数を抱    えています。

そんな活躍を遂げる赤澤さんにとって「自分に向き合うため、売れるものをつくるために」欠かせないものだというPinterest。今回は赤澤さんが考えるPinterestの特長や活用のポイントについて伺いました。

プロフィール

赤澤 える(あかざわ える)氏:株式会社ストライプインターナショナル LEBECCA boutiqueディレクター

https://www.pinterest.jp/eruakazawa/

定時勤務・定時ランチに疑問抱き フリーランスディレクターへ転身

日比:どういったお仕事をされているのでしょうか?

赤澤えるさん(以下、敬称略):earth music&ecologyなどで知られるアパレル企業、株式会社ストライプインターナショナルで、レベッカ ブティックというブランドのディレクターをしています。カメラマン、バイヤーも兼任します。社員になる道はあったんですけど、自分に向いていないということで、フリーランスとして自由にやらせてもらっています。

日比:印象的な「赤」のスタイルへのこだわりはどこから?

赤澤:苗字にも「赤」が入っていて、小さい時から赤色が好きだったのですが、この全身「赤」のスタイルになったのは今の会社に入社してからです。待ち合わせ場所ですぐに見つけてもらえるように (笑) というのは冗談で、親会社は大きな会社ですが、まだまだ小さなブランドなので私自身が印象的であることで、久しぶりに会った人にもシルエットでわかってもらえるようにという思いを込めて着ています。

日比:今の会社に入社した時にはすでに、SNSでの発信は始められていたのでしょうか?

赤澤:そうですね。前の会社でプレスと言われるブランドの広報の仕事をしていたので、仕事の一環としてSNSの運用もしていましたし、自分でも発信をしていました。ただ、私の発信の特徴は「長文で書く」ことと言われるようになったり、文章で気持ちを伝えたりするようになったのは、ブランドディレクターという今の立場になってからです。

まだ誰もマスターしていないから「自分が一番できるようになろう」

日比:Pinterestをはじめたきっかけは何でしょうか?

赤澤:前職の仕事で広告代理店の方と話していたら「これから、Pinterestがくるよ」と言われたことがきっかけです。当時TwitterやInstagramほどに、ビジネスに活用されていなかったので、「まだ誰もマスターできていないこのタイミングで、自分が一番使えるようになろう」と気持ちで始めたのを覚えてます。

日比:使い始めてからこれまで、Pinterestをどのように使っているのでしょうか?

赤澤:はじめは自分が好きなものを見るっていうだけでした。Pinterestでいいなーと思ったものを、スクショして。自分のカメラロールに保存する、みたいな。ちょっと今考えたら、よくわからない使い方もしていました(笑)。服作りや写真の取り方といった「ものづくり」に活かしはじめたのは、日本語版ができた5年ほど前からです。最近になって、Pinterest Japanの方ともお話しさせていただく機会が増え、多様な活用方法を教えてもらった感じです。

「絶妙さ」が、Google Yahoo!との違い

日比:5年前から使いつづけているんですね。そこにはどんな魅力があるのでしょうか?

赤澤:Pinterestで好きなものを見ていたら、ずっと見てられるんですよ。服作りとか「活用しよう」とか考える前に、無意識に使ってしまうものになっています。私の中でPinterestは、他のSNSやGoogleやYahoo!といった検索エンジンともぜんぜん違う存在です。例えば、検索エンジンだったら、自分が言葉を打たなきゃヒットしないし、「関連画像」も本当に関連するものしか出てこない。でも、Pinterestは絶妙に「私の好きなテイスト」を捉えて、好きなものを見せてくれるんです。例えば、YUKIさんや椎名林檎さんのクリエイティブが素晴らしいなと私が思ってみていたら、ほかにも「これが好きな人はこれも好きだろう」みたいに、ぴったりなものを紹介してくれるんです。本当にこのレコメンドが絶妙で。自分の「好き」をダイレクトにくれるので、見ていて本当にキリがないんです。

日比:Pinterestをどのようにクリエイターの仕事に活かしているのでしょうか?

赤澤:アイデア帳というか、やたら分厚い「お気に入り図鑑」、「超、える用の参考資料」に近いかもしれません。わたしは「赤」をキーワードにしていますが、同じ赤でも、Pinterestではじめて出逢った色味や雰囲気をまとった赤って、いっぱいあるんです。「赤」ってこんな風に合わせられるんだっていう感動、色合わせに関する気づきも得ることができる。自分って意外とこういうの好きなんだっていう自分への気づきも生まれる。さらにいうと、好きなキャッチコピーをピンしたものから辿っていくと、新しい日本語に会うきっかけにもなる。そういう形で、Pinterestから気づきや出会いをもらってそれを「ものづくり」に活かしています

Pinterestは、自分の好きを再発見し自分と向き合うツール

日比:そういった気づきや出会いを拾ったあとはどうするのでしょう?

赤澤:もちろんそのまま使うわけではありません。そのまま使うのは、いわゆる「パクリ」ですし、そのクリエイターさんに対するリスペクトの無い行為ですから。Pinterestでインスピレーションを受けたら、次にその「拾ったもの」について深く知ろうとします

誰が、どうして、どんな気持ちでつくったものなのか。作品の背後にある文脈や作り手を知るために、引用元を辿ります。これは、検索エンジンの画像検索ではなかなか辿りにくいので、Pinterestを重宝している理由の一つです。そうして、作品のオリジナルストーリーを理解した上で、自分の作品に織り込んでいきます。

日比:そこから「ものづくり」へはどういった流れなんでしょうか?

赤澤テーマも決まる前に、なんとなくのイメージから自分の好きという感覚に従って、どんどんボードにピンしていくんです。例えば、今度「テーブルを出したいな」とかいうざっくりした構想があるとき。Pinterestを触っていると「わたしの頭の中、読まれているんじゃないか」ってくらい、絶妙な選択肢がでてくるんです。それが招待状のデザインのインスピレーションをくれたり、会場に配置するのに素敵な「グリーン」をくれたり。当日着ていくドレスを提案してくれたり。だから、もうそのあとで私がするべき仕事は、ボードの名前を付けるだけっていう。

日比:その言語化する作業はどうやって?

赤澤:私のブランドって、服に一つ一つ名前がついているんです。「青山を走るミディスカート」とか「私たちのワンピース」とか。この名前には、こういう人に着て欲しいといった背景のストーリーがあって。この名前をつける作業は、ボードに集まったものを見ながら、「私はこれをなんで好きなんだろう?」と自分自身に問いかけて、私の中から言葉を引っ張りだすことをしています。この作業の時には、引用元をたどっていた時に出会ったストーリーから言葉が出てくることもあるし、集まったピンを見て湧き上がってくる感情を言葉として使うこともある。

自分の好きを再発見している感覚です。自分と向き合うツールといってもいいかも。

Pinterestは、みんなで未来をつくるものでもある

日比: TwitterやFacebook、Instagramなど、ほかのSNSに比べた時の特徴はありますか?

赤澤:他のSNSだと「発信しなければ」って身構えで考えてしまいます。メッセージを届ける人のことを真面目に考えてしまう。誤字脱字や伝わり方に気を使うので、一つの投稿でもすごく時間をかけるんです。でも、Pinterestは自分に真面目に向き合うメディア。考えて何かするんじゃなくて、ただ自分の感性に従って作品を分けていればいい。そうして、ふとした瞬間に自分のボードを見ると、「私はいま、これがしたかったんだ」って気づくことができるんです。

日比:“自分に真面目に向き合うメディア ”という表現はおもしろいですね。

赤澤:あとは、Facebookは過去。Twitterは今。Instagramは過去と今の中間で。Pinterestは「未来」っていう違いも、あるんじゃないかな。Facebookは結婚とか出産といったライフイベントを発表する場所、Instagramは人がブランディングするためのツールに近い気がしていて。それらのSNSは、本当のことっていうよりは「どうみられたいか」っていう部分が現れるイメージです。

それに比べて、Pinterestが未来っていうのは、なんだか他のSNSのどれにも当てはまらない感じがするから。過去でもあり今でもありながら、誰もが確実に未来を作ることに繋がるもの。そんな存在です。

自分の「好き」に向きあえば、きっと売れるモノを生み出せる

日比:実際にPinterestが服作りに活かされた事例などがあれば教えてください。

赤澤:以前浴衣をつくったときに、うちの会社が持っている他のブランドを抜いて、LEBECCA boutiqueが1位になったときがあったんです。あくまで結果論ですけれど、こういった結果を出せたのも、Pinterestを使っているおかげだと思うんです。Pinterestのなかで自分の「好き」なものに出逢いながら、子供のように素直に自分に向き合っていることが、服作りにもいい影響をもたらしていると私は感じています。

日比: Pinterest愛がすごく伝わってきました。最後にこれからしたいこと、挑戦したいことについて教えてください。

赤澤:まずは、うちの社長にPinterestを使ってもらう。私の中では、Pinterestを使っていることが売上にも繋がっているんですが、なかなか指標に落とせないので伝えにくいんですよね。だから、社内でも「おしゃれツール」になってしまっている。それを言語化して伝えていくことが私の使命だと思っています。

また、新しい服作りがあってもいいと思っていて。Pinterestを使った、新しい服作りを発信していきたいですし、そういう新しいやりかたについて発信しやすい世界にしたいです。例えば、私のブランドが好きって言ってくれる人とか、私の活動が好きって言ってくれる人を集めてボードを作りたいです。そこからまた、何か新しいインスピレーションが生まれて、新しくてもっと素敵なワンピースが生まれてくるかもしれない。それをブランドのオフィシャルとしてやっていきたいです。

日比:面白そうですね!

赤澤:そう、Pinterestは、モノづくりのプロセスを変える可能性を持っていると思います。だからこそ、「Pinterestをつかう=パクリ」という偏見をなくして、もっと多くの人がPinterestを活用できるように、わたしにできることをしていきたいと思っています。ちょうどPinterestのロゴカラーも、私のテーマカラーと同じ赤なので!いっしょに素敵なものを生み出していきたいです。

北原梨津子
ライター
北原梨津子

ライター。 大学院在学中に、自動車業界Webメディア(レスポンス)にて記者のアルバイトをはじめる。地方の工場取材や、海外企業向けの東京モーターショーレポート制作などに従事した後、東大新聞オンライン編集長と取材先で出逢ったことをきっかけに、東大新聞での記事企画・取材・執筆にも従事。 このほか、たまたま大学の授業で隣の席に座った、翻訳家の方に誘われ、バングラデシュに拠点をおくアジア女子大学のファンドレイジング・広報活動にも2012年~携わる。 素敵でおもしろいなと感じた人や出来事について、メディアを問わず伝えていくことが好き。

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