influencer lab
【新着記事】 【編集追記】Twitter流入70%越え。”Twitter”の話題は盛り上がるを実証。_”バズるアカウントには法則がある” TwitterおじさんとWeb系ツイッタラーが語る、Twitter論
influencer lab
post valuation
「ライバー」を小学生のなりたい職業に。世界4千万超のユーザー数を持つライブ配信のパイオニアが語る、「17 Live」の可能性
インタビュー

「ライバー」を小学生のなりたい職業に。世界4千万超のユーザー数を持つライブ配信のパイオニアが語る、「17 Live」の可能性

わずか3年で、全世界4000万人超のユーザーを擁するまでに成長し、現在台湾では人気No.1を誇るライブ配信アプリ「17 Live(イチナナライブ)」。モデルや俳優、歌手をはじめ、あらゆる夢を持つユーザーがライブ配信できるこのアプリは、どのような戦略と哲学のもとに展開されてきたのでしょうか。

日本における運営会社である株式会社17MediaJapan CEO小野裕史(おの ひろふみ)氏に、17 Liveの戦略とビジョン、そしてこれからライブ配信をはじめようと思っている方を含む、日本のユーザーに向けたメッセージを語っていただきました。

Interview / インフルエンサーラボ編集長 大久保亮佑 ( @03rysk )

プロフィール

小野 裕史 Hirofumi Ono
1974 年生まれ、札幌出身。東京大学大学院理学系研究科 生物科学専攻 修了。
2000年より株式会社シーエー・モバイルの第一号社員として創業を率い2008年専務取締役を退任し独立。インフィニティ・ベンチャーズ設立。
日本と中華圏でベンチャー投資を行いながら、自ら起業家としてサンシャイン牧場のRekoo Japan、ジモティー、グルーポン・ジャパン、Farfetch Japanなどの創業を率いる、投資家兼シリアルアントレプレナー。また、国内最大級のベンチャー経営者カンファレンス Infinity Ventures Summitを主催。
現在は、株式会社17Media Japanの代表取締役も兼務。

CEOが語る、「イチナナ」が人気No.1の理由

大久保: そもそも、17 Liveはどのようなサービスなのでしょうか?

小野氏(以下、敬称略): リアルタイムで動画を配信するスマホアプリです。もともと台湾でリリースしました。台湾マーケットには、途中から中華圏のサービスが入ってきて、かなり競争が激しい環境になったのですが、現在は17 Liveが頭一つ飛び抜けています。このほか、現在までに香港・シンガポール・マレーシア・インドネシアなど9カ国に展開し、各国のアプリランキングで上位、アメリカではランキング1位を取った実績もあります。

ライブ配信のイメージ画像

成功の3要素は、技術力・ライバー・視聴者

大久保:そのような激しい競争環境の中、なぜトップになれたのでしょうか?

小野:SNSアプリや動画配信サービスといった類のものは、まず技術力が伴わないといけません。そして、ライブ配信をするライバーも重要なビジネスの要素です。さらに、それを見るリスナー。この3つが「きれいに」成り立ってこそ成功します。

大久保:どれか一つが欠けてもいけないということですね。

小野:そうですね。この点、17 Liveはすべてにおいてバランス良く、最も力があったから一番になれたのだと思います。

ライブ配信における、台湾と日本の違いとは?

大久保:台湾ではじめられていますが、台湾におけるライブ配信は日本とどのように異なりますか。

小野:日本よりもかなり普及していますね。ライブ配信に対する敷居も低いですし。

この背景には、日本以上にテレビよりもインターネットの勢力が強いからだと考えています。日本では、インターネット広告市場の規模が再来年あたりにテレビ広告市場を抜くと言われていますが、台湾ではとっくに逆転が起きています。そのため、才能のある人が限られたテレビの枠を競うのではなく、インターネットにおけるライブ配信をする。そして有名になるケースも多くあります。日本もじきにこうなっていくと思います。

大久保:昨年6月に日本法人をつくられ、本格的に参入をはじめられました。なぜ、日本に進出されたのでしょうか。

小野:もともと日本や中華圏で投資をしてきた中で、台湾の17 Liveに2年ほど前から投資していたのですが、当時から日本におけるライブエンターテイメントの可能性を感じていたんです。だから、台湾市場でのビジネスが落ち着いたタイミングで日本への進出を決めました。

大久保:日本にすでにライブ配信のプレーヤーがいますが、各社競合と捉えているのでしょうか?

小野:競合というより、日本のライブエンターテイメントはまだまだ黎明期なので一緒に業界を盛り上げていく立場だと捉えています。もちろんライバルという観点はゼロではないですが、まずはライブ配信のエンターテイメント性や価値を伝えていきたいと思っています。とはいえ、17 Liveの特徴としては、やはりアジアを中心に日本国外のライバーを見ることもできれば、日本のライバーが世界に発信することができるのが、他の日本のサービスとの大きな差だと思います。

大久保:では、今は「ライブ配信の文化」をつくることに注力されているところなのですね。

小野:そうですね。すでにライブ配信で新卒のサラリーマンの月収を上回る方が現れたり、ライブ配信からTVデビューされたりする方が増えています。徐々にライブ配信が市民権を得てきている段階です。

ですので、これからもっとライブ配信文化を盛り上げていって、YouTuberのように小・中学生の憧れの職業にランクインされるのを目指しています

機転、忍耐強さ、そして多言語習得が強みとなるプラットフォーム

大久保:ちなみにいま挙げてくださった、YouTuberとライバーを比較すると、どのような違いがあるのでしょうか、

小野:YouTuberは動画編集における技術が求められます。テレビ制作のように、一般の方には敷居が高い側面があるのではないでしょうか。また、台湾にラッパーのライバーがいるのですが、彼はユーザーのコメントに合わせてリアルタイムでラップを返すパフォーマンスをおこないます。これは、ライブ配信でないとできないことで、YouTubeでは実現できない楽しませ方だと思います。

大久保:たしかにライブ配信だからこそリアルタイムコミュニケーションによる楽しませ方はありますね。

小野:そう、リアルタイムで機転をきかせてうまく打ち返すことができることが大切だと思います。ユーザーがいつどんなことを返してくるかわからない中でのフレキシビリティ。それもユーザーの返しに翻弄されない、能動的な。

大久保:まるでラジオのパーソナリティのようですね。ほかにライブ配信で大切なことはありますか?

小野:すぐに人気がでるわけではないので、配信し続ける忍耐強さも必要だと思います。また、グローバルなサービスですので、中国語や英語などの外国語のできる方は、より多くのファンを獲得できるので強いですね。

あと注意しないといけないのが、インスタグラマーで多くのフォロワーを抱えている人や、YouTuberで多くのチャンネル登録数を持つ人が、必ずしも成功するとは限らないということ。すなわち「ライブだからこそ」成功する人がいるということです。

実際にいまも、マジシャン・ひとり劇・ダンサーなど幅広いジャンルの方が活躍されています。インスタグラムなどとは異なり、ビジュアルのよしあしに左右されにくいので、多様な方々にチャンスのあるプラットフォームと言えるのではないでしょうか。ですので、ぜひより多くの人にチャレンジしてほしいなと願っています。

「夢ありき」だから続けられる、人もついてくる

大久保:これからライブ配信をはじめる人に対して、何かアドバイスはございますか。

小野まず1回の配信で30分は続けること、ということは、初期のライバーさんによく言っていますね。特定の瞬間にひろってもらわないといけないので、ある程度長い時間配信する必要があると思います。あとは、毎日が理想ではありますが、週に4、5回配信した方がいいと思いますね。

それも、ただなんとなく場当たり的に配信したり、配信することだけをゴールにするのではなく。何か実現したいことや発信したいことが明確にある方がよいとは思います。もちろん、17 Liveをはじめたことがきっかけで、夢が見つかる方、やりたいことが見つかる方もいらっしゃいますし。17 Liveにおけるコミュニケーション自体が楽しくて、続けられる方もいらっしゃいますけれどね。

大久保:好きなことがあるから配信する方が、続けられそうですよね。

小野:そうですね。その方が自然とファンもついてきますし。

大久保:はじめるタイミングでいうと、早くはじめた人の方が成功しやすいのでしょうか?

小野いわゆる先行者利益は大いにあると思います。経験知やファンの数でも、大きな差になってくると思います。この点、17 Liveは日本で初めて半年しか経っていないので、先行者としての利益を得る余地は、まだまだ十分にあると思います。

他SNSと比較すると、ライブ配信はフィードバックもリアルタイムで返ってきます。PCDAをまわすことができるサイクルが圧倒的に早く、ライブ配信の腕も上がるスピードも早いので、早くはじめるだけでも差を付けられると思います。

「誰もがスターになれる世の中を」新境地に、17 Liveが描く夢

大久保:最後に、17 Liveが実現したい世界観や日本で実現したいことについて聞かせてください。

小野:誰もがスターになれるという世界観をつくりたいので、既存の著名人・有名人ではなくて、いまは無名の人に、ぜひライバーになってもらいたいと思っています。このように「誰もが全世界に発信でき、自分のチャネルで自分を有名にできる」という世界観こそがわたしたちの差別化ポイントであり、こだわりでもあります。

日本における目標でいうと、これから3年の間に、小学生や中学生の中で、YouTuberよりもライバーが有名になること。そして5年後には、ジャスティン・ビーバーのようなかつては無名な少年だった人がYouTubeというプラットフォームで世界にデビューしたように、ライブ配信者、特に日本が誇るポップカルチャーの領域で、ライバーとして日本で有名になること。さらにそれだけではなく、アジアに大きなファンを持つライバーが生まれてくることですね。それが、僕らが日本に進出する意義です。

ライター
大久保亮佑

インフルエンサーラボ創刊編集長。企業向けのSNSマーケティング情報発信メディア、ソーシャルメディアラボ( https://gaiax-socialmedialab.jp/ )の編集長も務める。

keywords

relarion

pick up

interview