
中国版のインフルエンサーである“KOL”(Key Opinion Leaderの略)。先月20日、FindJapan株式会社が「KOL感謝祭2018」を大阪で開催し、中国の人気KOL50人以上が一堂に会しました。その総フォロワー数はなんと3,000万人超。熱気に包まれた開場でKOLのみなさんはどんな方たちなのか、取材してきました。
「KOL感謝祭」の概要
KOL感謝祭は、中国の消費者向けに日本最新トレンド情報を発信しているFindJapan社主催のイベントで、普段仕事でお世話になっている感謝の意を込めたパーティーとなります。当日は10社超えるスポンサー企業がブースをだしており、写真を取ってもらうためのフォトスペースの設置、ライブ配信してもらうように商品の説明などに力を入れていました。
FindJapan株式会社Facebookページより
各社フォトスポットを設けてKOLを通しての拡散を狙う
会場で1番人気KOL、“林小宅”さん
50人を超えるKOLの中でも人気の方が、林小宅さん。Weibo(微博)でのフォロワー数は480万超。日本のインフルエンサーと比較すると桁が一つ違う規模です。当日は他のKOLの方が林小宅さんへ一緒に写真を撮ってもらうようにお願いしている様子も見られました。
Weiboアカウント:https://www.weibo.com/p/1005051965681503
イベント当日の投稿も1.4万シェア・2.7万のいいね、5,000を超えるコメントの反響があり、影響力の大きさを感じます。
なんといってもライブ配信が一般的に
イベント当日に日本との違いを1番感じた点は、KOLの方が自然にライブ配信をしていたことです。中国ではライブ配信・ライブコマースは数年前から盛り上がっていることは知っていましたが、当たり前のようにライブ配信を始めて、ユーザーとコミュニケーションを取っている様子は驚きました。
商品紹介だけでなく、他のKOLと一緒に配信している様子
当日ブースを出していた企業の方へインタビューする形式でのライブ配信や、コメントに答えてカメラのアングルを変えるなど、ライブ配信の閲覧者に配慮している様子も見受けられました。
男性のKOLの方もライブ配信
今後中国で流行るのは「生活便グッズ」か
今回のイベントの主催企業であるFind Japan社に、中国でのKOLの実態を詳しくお伺いしました。
Find Japan株式会社 メディア事業本部 韓瑩(ハンエイ)さま
——今回多くのKOLの方々がいらっしゃいますが、人気のある方はどんな特徴がありますか?
韓氏(以下敬称略):最近だと情報系KOLの人気が出てきています。特に美容系のアカウントで、メイクのやり方などを紹介したKOLが1番人気です。以前のWeiboでは弊社が運営しているようなメディアアカウントが一番人気ありましたが、この2~3年はKOLの人気が出てきました。
——会場を見ると、ライブ配信している方が多いですよね。
韓:はい、ライブ配信は今流行っていて、最近は企業からライブ配信の依頼も増えています。その場合、基本的にはKOLに投稿内容は任せています。企業からは大体の流れや軸だけ伝えていただき、あとはKOLが自由に配信します。
——日本企業のブースもありますが、中国で人気の日本の商品には何か特徴がありますか?
韓:中国ではWeiboに頻繁に掲載されているものイコール人気があるものという理解されています。ですので、食べものや日本製の赤ちゃん商品、女性向けの商品など特定の商品ジャンルということはありません。
——そうすると、Weibo上で情報が載っていないものはあまり人気がないということですか?
韓:そうですね、Weibo上に情報が流通していないと、あまり人気がないと認識されています。企業は自社から情報を発信するよりも、KOL経由で情報を流したほうがユーザーに受けやすいので、KOLへの依頼は増えているような状況です。
——これから中国で流行りそうな日本のものはありますか?
韓:Loftや東急ハンズで販売しているような「生活便利グッズ」は、徐々に人気が出てきています。その中でも日本の特別さを感じられるグッズです。今までは化粧品や家電、薬品などが一般的だったのですが、「生活便利グッズ」にも人気が広がってきたという感じです。
まとめ
日本では昨年2017年にライブ配信・ライブコマースが注目され始めましたが、KOLにとってはもはや当たり前に使われていました。今後ライブ配信を活用する際、KOLの方々の配信方法は参考になることも多いかもしれません。この領域において進んでいる中国の動向を今後も追っていきたいと思います。
インフルエンサーラボ創刊編集長。企業向けのSNSマーケティング情報発信メディア、ソーシャルメディアラボ( https://gaiax-socialmedialab.jp/ )の編集長も務める。
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