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アラブ人のフォロワー10万人。現地で「シャムス・カマル」と親しまれる鷹鳥屋さんの語る、自分だけのオンリーワンコンテンツの作り方
インタビュー

アラブ人のフォロワー10万人。現地で「シャムス・カマル」と親しまれる鷹鳥屋さんの語る、自分だけのオンリーワンコンテンツの作り方

いま、マーケティング界隈でコミュニテイを活用したマーケティングこと「コミュニティマーケティング」に注目が集まっています。 

そこで、インフルエンサーを取り巻く「ファン」「フォロワー」達もある種のコミュニテイを形成すると考えるインフルエンサーラボ編集部は、4月26日木曜にコミュニテイマーケティングをテーマに開催されたイベントを取材してきました。

 『Community Marketing Workshop vol.1〜グミ×中東 好きなコンテンツで生きていく〜』 

イベントは東京・永田町のNagatachoGRIDにて開催され、中東やグミをテーマにオンリーワンのコンテンツを生み出された鷹鳥屋 明さん・武者 慶佑さんが登壇。好きなコンテンツの見つけ方や、それをオンリーワンのものにするポイントなど、インフルエンサーの発信に役立つ様々なTipsが語られました。 

登壇者プロフィール 

鷹鳥屋 明(たかとりや  あきら)さん 

大分県出身。筑波大学卒。大手メーカー・商社・中東紛争地NGOに勤務した後、日本と中東を繋ぐベンチャーを立ち上げる。中東・民族衣装のエキスパートとして、SNSを通じて70着に上るアラブ圏の民族衣装を着ながら発信している。アラブ圏だけでInstagramで7万人、Twitter3万人近くのフォロワーを持つ。 外国人タレントとして、中東でCMや広告、メディアに多数露出。 2017年のサウジアラビアのサルマン国王陛下来日の際には日本のテレビ全局に出演。本業はサラリーマン。 

https://www.instagram.com/shams_qamar_jp/

武者 慶佑(むしゃ  けいすけ)さん 

日本グミ協会 会長 。宮城県仙台市出身。青山学院大学卒。2013年より同人活動として日本グミ協会を発足。SNSとグミイベントを繋ぎ、活動の幅を広げる。現在国内大手グミメーカー5社と提携し、競合を超えた組織「GUMMIT」を立ち上げる、『日経MJ』『マツコの知らない世界』『Rの法則』などメディア出演も多数。本業はサラリーマン。 

https://www.youtube.com/watch?v=y8PvESmIdsQ  

お酒が飲めない九州男児、中東へ 

武者さん(以下、敬称略):そもそも、どうして中東なんですか?  

鷹鳥屋さん(以下、敬称略):半分は「お酒が飲めないから」っていう冗談みたいな理由です。お酒を飲まない地域はマレーシアやインドネシアにもありますが、なかでもアラブ人の性格がすごく自分に合うんです。中東系の人と話していて、「なかなか、わかりやすい人たちだ」と、彼らのキャラクターに惹かれました。私自身も九州人、大分県民で単純なので、なんとなく似たものを感じました。

武者:なるほど。ではそれから、どうやって有名に?

鷹鳥屋東京に大雪が積もった時に、アラブの民族衣装で雪遊びをしている写真をInstagramにアップしたことがきっかけです。東京浅草の仲見世通りに積った雪の上を、深夜アラブの民族衣装でスライディング。その新鮮なショットが印象的だったみたいで相当バズりましたね。アップした翌朝、起きたらフォロワーが3、4千人に増えていて。それから5千、8千、1万・・・と雪だるま式に増えました。

2、3年前まではフォロワーが200人もいなかったのにですよ!フォロワーが増えたあとは「おもしろい日本人がいる」と話題になり、中東現地でも日本でもメディアで取り上げられるようになりました。数えた限りでは、これまで中東で取り上げてくださったメディアは30を超えますね。結果的に今は合計10万くらいのアラブの人達にフォローされています。

それからはメディア以外の活動もはじまって。中東の自動車王からのご招待をいただき講演会をさせていただいたりと、活動の幅がどんどん広がっています。

武者:Facebookなど、ほかのSNSは使われなかったんですか?

鷹鳥屋:使っていないですね。Facebookは完全にプライベートで使っているので、知らない人からのコンタクトはFacebookでは受け付けていなくて。InstagramとTwitterだけをオープンに使っています。

武者:発信をはじめるとき、なにか戦略的されたことってありますか?

鷹鳥屋純粋に「この格好でやったら面白いかも」というのが出発点で、面白いと思うことをとにかくやっていました。中東はそもそも雪が降らないので、この格好で雪合戦をしているというのは大変珍しい光景だったんですよ。しかも日本人がしているというのがおそらく新鮮だったからここまで受け入れられたんだと思います。

ポイントは「徹底した現地目線」 

武者:コンテンツが新鮮というのは?

鷹鳥屋:まず前提として、多くの日本人の中に中東に対する先入観がありますよね。石油王がいて、テロリストとアラビアンナイトとラクダがいるんだろう。そんな感じのイメージありますよね。でも実際は、石油王なんていないですし、なんとなく女性が抑圧されているようなイメージもあると思いますが、女性も結構人生をエンジョイしていたりする。私はそういった「現実」を、現地の目線で伝えたいという想いがありました。

そもそも中東という地域に注目している人で私と同じようなことをする人間がいなかったという意味でも新鮮だったのかもしれません。わたしよりも圧倒的に中東関係のことに詳しい人、アラビア語を話せる人はいっぱいいるけれど、日本人で民族衣装を着て中東の文化を“ちゃんと”紹介したり、現地で何かを体験したことを発信する人がいなかったんです。

そもそも民族衣装が日本ではあまりなかったというのもありますね。日本では売っていない。わたしが毎回、サウジとかクウェートを回る度に大量に買って帰ってきているんです。それが積み重なって今70着くらいありますね。どんどん増えて八畳一間の部屋が埋まってしまっています。

好きなものの定義は「時間を忘れられること」 

武者:好きなものの見つけ方をストレートに聞かれると何だと思います?

鷹鳥屋時間を忘れて何時間もできることだと思います。時計を見たり、後々のことを考えずに取り組める。それくらい夢中になれることだとは思います。

武者:それは生きていく中で、ごく自然に見つかりましたか?それとも、探さなきゃと思って見つけましたか?

鷹鳥屋ひょんなきっかけで、面白いなと思ったことを突き詰めたという形ですね。

武者:僕は逆ですね。後付けで、好きなものを探すタイプ。自分が活き活きと生きるために、何か探さなきゃと考えています。言っちゃいけないかも知れないですけど、グミ好きというのも割と後発的な考えで。グミを嫌いな方ってそんなにいないですよね。甘くて美味しいからみんな好き。だから後発的に、「より好きに」なってみた感じです。こういう元から無難に好かれているものを好きと言っていったら、どうなるんだろうという実験に近い感覚です。

鷹鳥屋:戦略的に、好きなものを決めているということでしょうか?

武者:そうですね。別に嫌いじゃないし本当に好きで毎日食べていますし、今も無意識に食べていますけれど。そういう好きな方法も見つけ方としてあるのかなと思います。

好きなものを、自分だけのコンテンツにする方法

武者:鷹鳥屋さんって、いま中東に関する発信だけで食べていけるようになっているんでしょうか?それともまだ趣味に近い?

鷹鳥屋:正直なっていないですね。「石油王に、お金をもらえるんだろう」なんて言われたりしますが、石油王がもういないんですし。ただ一度、8,000億円くらい財産を持っているお金持ちとの食事に招待されたことはありました。「お小遣いをあげるよ」って言われたのに、私は「現地の伝統的な食事を食べさせてくれたらそれでいい」って言っちゃって。今思うとちょっと勿体無いことをしましたね 笑

中東は好きですけれど、それを仕事にしないのはマネタイズ自体が得意でないという理由がありますがお金を絡ませてトラブルになったら、中東のことが嫌いになっちゃう。現に、一度トラブルに巻き込まれて中東に悪いイメージを持ってしまったことがあったんです。だからいまは、好きなものとの距離感と関係性には注意をしている。結構難しいですけれどね。

武者:好きなものが見つかったところで、同じことを好きな人は自分以外にもたくさんいると思います。鷹鳥屋さんの場合は、好きな中東っていう領域のなかでも群を抜いて目立っておられますよね。何かコツはあったのでしょうか?

鷹鳥屋:語学や在住歴などの点でみたら、私よりも優れた人は圧倒的にいます。にもかかわらず、ピックアップされたのは、見た目のわかりやすさがあったのかなと思います。メディアで大学の偉い教授とかが呼ばれずに私が解説員になっている理由は、わかりやすいからなんですよ。同じことを言っても、わたしが言うと「あ、そうなんだろうな」と5倍ぐらい説得力が違うと言われたりしましたね。 テレビ局の方に「鷹鳥屋さんが出ると視聴率が取れる」と言っていただいたこともありました。

武者:確かに、鷹鳥屋さんからは五感で中東を感じられますね。スーツを着て真面目に中東を語るよりも、民族衣装で話す。それでいて絶対ボケずに真面目に話すというところがいいですね。

稀有であること、伝え方を工夫すること

鷹鳥屋:例えばラーメンが好きな人ってたくさんいると思うんですよ。でもラーメンをテーマにブログをしても、相当の競争相手がいるわけです。この点、中東の衣装に特化して、中東を語る人間は今まで0だったんです。だからわたしが急にピックアップされた。

武者:僕が知っている方で、ラーメン・ユーチューバー「SUSURUさん」という人がいます。彼はYouTubeという媒体の「動画」という特性をうまく使って活躍している。だから、同じコンテンツを伝えるにしても、プラットフォームや手段も差別化ポイントになりますよね。

それと、「オンリーワン」というものは、ニーズがあるところでなくてもいいんじゃないかと思っていて。例えば鷹鳥屋さんが中東の衣装を着て、変なことをしようというのはそこにニーズがあったわけじゃないですよね。私が発足した日本グミ協会というのも「日本」「グミ」「協会」どれをとっても、既にメジャーなものです。特別でも新しい需要に応えたわけでもない。でも掛け合わせて検索したらどこにもないものになった。しかも、傍から見たらちゃんとしてそうですよね。これを狙って、戦略的に名付けました。

鷹鳥屋さんも中東の日本人、というコンテンツ配信という意味では先駆者的な存在だったんじゃないですか?

鷹鳥屋:確かに、ファースト中東ペンギンみたいな感じでしたね。周りに同じことをしている人はいませんでした。

お金よりも「楽しい」が選択軸

武者:鷹鳥屋さんにとって、発信の目的はどこにあるんですか?

鷹鳥屋:楽しいってところです。楽しいから自分の給料削って、中東の民族衣装を何10着も集めてきました。買った衣装を、船便で送るのもすごく大変なんです。でも好きだったから、毎食ごはんはケバブで我慢できた。

大変だけど、この楽しさを多くの人と共有できたらいいなと思いますね。今日だって、(来場者に向けて)みなさんここに来なかったら、一生この衣装を知る機会がなかったかもしれないわけですよ。だから今日それを体験して「中東の人たちはこういう格好でいるんだ」っているのをわかっていただくだけでも、よかったなと。満足しますね。

武者:鷹鳥屋さんって、人に面白いと思ってもらいたいっていう想いが根本的にある方だという感じがします。

鷹鳥屋:そうかもしれませんね。

現地でも芸人枠で生きていますし。間違いなく3枚目枠でやっています。それを本当に実感したのは、サウジアラビアのコメディーショーでコメディアンの祭典みたいなのがあって、それにオファーが来た時です。「俺、アイドルじゃなくてコメディアン枠だったのか・・・」ってショック受けましたね(笑)。このことを、現地の政府の人に「俺、コメディアンショーに呼ばれたんだよ。アイドル枠だと思っていたのに」って言ったらこう返されました。

「今更何を言っているの?」

以上、4月26日開催『Community Marketing Workshop vol.1〜グミ×中東 好きなコンテンツで生きていく〜』に登壇された武者さんと鷹鳥屋さんのトークハイライトでした。

ご自身の「中東好き」を探求した結果、ほんの数年で日本全局テレビ出演まで果たしてしまったという鷹鳥屋さん。その魅力的な発信のポイントは、誰よりも「中東の人々に対する偏見を解きたい」という真摯な想いを抱いていたこと、誰よりも情報を受け取る相手に寄り添う姿勢をとっていたこと、そしてとにかく人を楽しませたいという熱い芸人魂を持っていたこと、のようです。

あなたも誰より好きだと思うこと、ぜひ探求してみてはいかがでしょうか?

 

北原梨津子
ライター
北原梨津子

ライター。 大学院在学中に、自動車業界Webメディア(レスポンス)にて記者のアルバイトをはじめる。地方の工場取材や、海外企業向けの東京モーターショーレポート制作などに従事した後、東大新聞オンライン編集長と取材先で出逢ったことをきっかけに、東大新聞での記事企画・取材・執筆にも従事。 このほか、たまたま大学の授業で隣の席に座った、翻訳家の方に誘われ、バングラデシュに拠点をおくアジア女子大学のファンドレイジング・広報活動にも2012年~携わる。 素敵でおもしろいなと感じた人や出来事について、メディアを問わず伝えていくことが好き。

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